― 大学別データ判定 ―
【偏差値が出ない】九州情報大学は本当にFランなのか、データで判定
経営情報学部の偏差値・就職・学費・評判を、大学公式と私学事業団の一次データで中立検証

この記事の目次
河合塾の偏差値は「BF」。ただし数字が割れる理由も押さえる
まず難易度から確認します。河合塾Kei-Net(2027年度)では、九州情報大学の経営情報学部は2学科ともBF(ボーダーフリー)です。BFとは、合格ボーダーラインを引けないほど不合格者がほとんど出ない状態を指します。河合塾がかつて「Fランク」と呼んだ枠を、いまはBFと表記しているので、河合塾基準では文字どおり難易度の最下層に位置します。
| 学部 | 学科 | 河合塾Kei-Net(2027) |
|---|---|---|
| 経営情報学部 | 経営情報学科 | BF |
| 経営情報学部 | 情報ネットワーク学科 | BF |
ところが、同じ大学でも予備校によって数字は割れます。ベネッセ(マナビジョン)の模試基準では経営情報学部は偏差値41〜45(経営情報学科41〜42、情報ネットワーク学科42〜45)、共通テスト得点率47%と出ます。口コミサイトのみんなの大学情報ではBF・共通テスト得点率38〜40%です。なぜ割れるかというと、模試ごとに受験する母集団が違うからです。河合塾模試は難関志望者の割合が高く相対的に低く出やすく、ベネッセは幅広い層が受けるため数値が付きやすい。ですから「偏差値は◯◯です」と一つの数字で語ること自体が正確ではありません。
当サイトは全国どの大学も河合塾Kei-Netを共通のものさしにして判定しています。その基準では九州情報大学はBF、判定はSです。私(森田)はここで「だから価値がない」とは言いません。入口の数字が示すのはあくまで入試の難しさであって、大学の中身や出口は別の指標で見る必要があるからです。次章からその別の指標に入ります。
ここが本題。収容定員充足率108.6%が示す二面性
偏差値だけでは大学の実態は測れません。当サイトがもう一本の軸として重視するのが、収容定員充足率です。これは「定員に対して実際どれだけ学生が在籍しているか」を示す数字で、大学の集客力と存続力を映します。私学版大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団)2025によると、九州情報大学の充足率は108.6%です。経営情報学部の収容定員720人に対して、在籍学生が定員を上回っている状態です。
ここに二面性があります。一面は、入試難易度が河合塾BFで最下層だということ。もう一面は、学生募集は成立していて、むしろ定員を超えて埋まっているということです。全国には偏差値が低いうえに定員割れ(充足率100%未満)で経営が細っていく大学が数多くあります。九州情報大学はそれとは違い、「入りやすいが、席は埋まっている」大学です。この違いは進路判断で見落とされがちな急所です。
背景として、留学生の受け入れ規模も充足率を押し上げる一因と考えられます。同大学は日本語別科を設置し、大学ポートレートの記述でも留学生への就職支援に言及があります。つまり充足率の中身は日本人志願者だけで構成されているわけではない、という点は割り引いて読む必要があります。それでも「Fラン=いずれ消える大学」という短絡は、少なくとも現時点の九州情報大学には当てはまりません。難易度の低さと、大学としての存続力は別物です。この二軸で見るのが、当サイト独自の読み方です。
「やばい」「恥ずかしい」の噂を、事実で仕分ける
検索でついて回るネガティブな評判を、逐語ではなく類型に整理して検証します。感情語をそのまま並べても判断材料にならないので、何を根拠にした声なのかで仕分けます。
- 類型1:無名で名前が通じない。知名度の低さを指す声です。事実として小規模な単科大学で、全国的な知名度は高くありません。ただし知名度と教育内容は別物です。
- 類型2:誰でも入れる。難易度の低さを指す声で、これは河合塾BFという事実そのものです。ここは否定できません。
- 類型3:田舎・小規模。立地と規模への指摘です。太宰府の落ち着いた環境と少人数体制は、人によって長所にも短所にもなります(後の章で両面を扱います)。
- 類型4:就職実績の開示が薄い。一部の競合記事が指摘しています。ただし私学事業団の大学ポートレートには就職の実数が公開されており、開示自体は存在します。開示を「見つけられていない」だけのケースもあります。
「恥ずかしい」という感情は、主に知名度と難易度の低さから生まれています。しかし大学の値打ちは入口の偏差値だけで決まりません。口コミサイト(みんなの大学情報)に寄せられた声を見ても、良い点として「小規模で教員との距離が近い」「就職支援が手厚い」「ゼミの指導が丁寧」が挙がる一方、課題として「施設の一部が古い」「サークルの数が少なめ」が挙がります。両論あるのが実態です。噂を鵜呑みにせず、この後の就職・資格・大学院という出口まで見てから判断してほしいところです。
就職・進路は「実数」で見る。卒業者122名中109名が就職
就職は口コミではなく大学公式と一次統計で見ます。私学版大学ポートレート(私学事業団)2025によると、2024年4月から2025年3月の卒業者は122名、うち就職者109名、進学者13名です。就職と進学を合わせると卒業者のほぼ全員の進路が確定している計算になり、少なくとも「行き場がない」大学ではありません。
大学公式(九州情報大学)の就職先一覧に挙がる主な企業を業界別に整理すると、次のような広がりがあります。
- 金融・保険:西日本シティ銀行、北日本銀行、福岡県信用組合、住友生命
- IT・情報通信:Qtnet、リコージャパン、NTTデータNCB
- 不動産・建設:ケイアイスター不動産、東急リバブル
- 小売・流通:ドン・キホーテ、ビックカメラ、トライアルグループ
- 公務:消防局、自治体職員 ほか
地元福岡で就職する志向が強く、地域の金融・IT・流通・公務にコンスタントに送り出しているのが特徴です。大学院進学も、内部の経営情報学研究科に加えて九州大学大学院、早稲田大学大学院、広島大学大学院などへの実績があります。支援体制としては、CDC(キャリアデザインセンター)を軸に1年次からキャリア教育を配置し、福岡県中小企業家同友会との連携で地元優良企業とのパイプを持ちます。取得を後押しする資格も簿記、ITパスポート、基本情報技術者、販売士、高校教諭一種免許状(情報)と実務寄りです。難関大と同じ土俵で戦えるわけではありませんが、地元中堅企業とIT系、公務で数字を出しているのは事実です。名前より中身で動ける人には十分機能します。
学べることはIT×経営。単科大ゆえの一点集中
九州情報大学は経営情報学部だけの単科大学です。学部が一つに絞られている分、IT(情報)と経営・会計を横断して学ぶという方向性がはっきりしています。学科とコースの構成は次のとおりです。
- 経営情報学科:会計・マネジメント/ベンチャー・ITマーケティング/グローバルビジネスの3コース
- 情報ネットワーク学科:ITエンジニア/データサイエンスの2コース
特色は、プログラミングやネットワークといった情報技術だけでなく、簿記・会計・経営までを同じ学部の中でつなげて学べる点です。IT専門学校のように技術一辺倒でもなく、文系の経営学部のように数字とシステムから離れるわけでもない、中間の設計になっています。スマートフォンやICTをビジネスでどう使いこなすか、という実利的な学びが軸です。
見落とされがちですが、大学院(経営情報学研究科)は税理士の税法・会計学について論文による科目免除に対応しています。これは九州でも数少ない強みで、会計・税務のプロを大学院まで見据える人にとっては、入口の偏差値では測れない価値があります。学部から大学院まで会計系のキャリアを一貫して描ける環境は、単純なFラン評価では捉えきれない部分です。教育理念は温かい人間性を掲げる麻生学園系の伝統を引き継いでいます。
入試方式と合格難易度。BFの現実的な意味
入試方式は、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜、共通テスト利用の4系統です。総合型選抜は面接を中心とした選考で、学力一発勝負ではありません。共通テスト利用は受験教科数2・配点合計200と少科目に設計されており、一般選抜も科目数が絞られています(ベネッセ マナビジョンの入試情報より)。
合格難易度は、河合塾Kei-NetでBFとされているとおり、ボーダーラインが設定されないほど、出願要件を満たせば合格に近づく水準です。つまり「入れるかどうか」で悩む段階は、多くの受験者にとって大きな関門になりにくいということです。ただし、これは裏を返せば入学後に自分で伸ばす前提とセットです。入口が緩い分、どのコースを選び、どの資格を取り、どこまで実務力を積むかで、卒業時点の差が大きく開きます。入りやすさを「楽ができる」と読むか「早く先へ進める余地がある」と読むかで、4年間の意味は変わります。
日程面では、学校推薦型選抜が11月開始(令和7年度の実績で11月1日から)と早く、早期に進路を固めたい人が動きやすい設計です。最新の科目・配点・日程は年度で変わるため、出願前には必ず大学公式の募集要項で確認してください。
学費は私立文系の標準からやや安め。奨学金で実質負担を下げられる
学費は大学公式(令和8年度1年次入学者)の数字で確認します。初年度の内訳と2年目以降は次のとおりです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 220,000円 |
| 授業料(年額) | 660,000円 |
| 施設拡充費(年額) | 100,000円 |
| 実習教材費(初年度) | 50,000円 |
| その他(年額) | 71,000円 |
| 初年度納入金 合計 | 1,101,000円 |
| 2年目以降(年額) | 876,000円 |
別途、預かり金69,300円がかかります。初年度で約110万円、2年目以降は約87.6万円という水準は、私立文系のなかで標準からやや安めに収まります。情報系の内容を学べることを考えると、コスト面はむしろ利点です。実際、進学相談サイトの声(類型)でも「情報を学べるのに文系並みに学費が抑えられている」という評価が見られます。
奨学金も手厚めです。特別推薦・一般推薦・一般の各選抜で試験成績が8割以上なら授業料が全額給付される制度があり、国の高等教育修学支援新制度(授業料減免と給付型奨学金)の対象でもあります。教育ローンの提携もあります。入試で結果を出せば実質負担を大きく下げられる設計なので、学費を理由に選択肢から外す前に、給付条件を確認する価値があります。
立地は太宰府。落ち着いた環境と車社会の両面
本部は福岡県太宰府市宰府6-3-1の太宰府キャンパスです。学問の神様で知られる太宰府天満宮や九州国立博物館がある歴史の街で、西鉄太宰府線の太宰府駅からアクセスできます。加えて博多駅前にサテライトキャンパスを持ち、都心での学びや就職活動の拠点にできます。キャンパス内にはパソコンやネットワークの相談に応じるPCクリニック、健康管理室などの施設が整っています。
立地には両面があります。静かで落ち着いており学業に集中しやすい一方、繁華街的な賑わいは薄く、生活には車移動が前提になりやすい環境です。都会的で華やかなキャンパスライフを思い描いていると、ギャップを感じる可能性があります。課外活動についても、口コミではサークルの数が少なめという声があり、大規模大学のような選択肢の多さは期待しにくいところです。何を優先するかで、この立地は長所にも短所にもなります。落ち着いた環境で腰を据えて資格やスキルに向き合いたい人には、むしろ相性の良い場所です。
九州情報大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえ、向き不向きを整理します。
- 向く人:ITと会計・経営を両方学びたい/地元福岡で就職したい/少人数で教員に相談しながら進めたい/税理士など会計・税務を大学院まで見据えている/入学後に資格で自分を上書きする覚悟がある。
- 合わない人:大学名のブランドで就職を有利にしたい/大規模なサークルやイベント中心の学生生活を送りたい/難関大の学力環境で切磋琢磨したい/都心キャンパス志向が強い。
私(森田)は偏差値40の大学の出身です。だからこそ言えるのは、入口の数字より「入学後に何を積んだか」で結果が大きく変わるということです。BFの大学は入口が緩い分、その余白を早く資格と実務に振り向けられる人ほど報われます。逆に、名前や環境が自動的に何かを与えてくれると期待すると、緩さは緩さのまま終わります。九州情報大学は、後者の期待には応えませんが、前者の覚悟がある人には十分に使える道具です。
まとめ。九州情報大学はFランか
河合塾Kei-Net(2027)では経営情報学部の2学科ともBF、当サイトの中立判定はSです。難易度という一点では、たしかに最下層に位置します。ここを隠すつもりはありません。
ただし、それだけで大学を切り捨てるのは早計です。収容定員充足率は108.6%で定員は埋まり、就職は卒業者122名中109名が就職・13名が進学と出口は機能しています。IT×経営という一貫した学びがあり、大学院は税理士の科目免除に対応するという尖った強みも持ちます。学費は私立文系のなかで抑えめで、成績次第で授業料全額給付の道もあります。
結論をひとことで言えば、九州情報大学は「入口は緩いが、中身と出口は使える大学」です。大学名のブランドで勝負したい人には向きません。しかし、地元での就職と実務力を軸に、入学後に自分を伸ばす前提で選ぶ人にとっては、Fランという一語で片づけるにはもったいない選択肢です。判断はぜひ、偏差値だけでなく一次データの全体像で下してください。
よくある質問
九州情報大学はFランですか?
河合塾Kei-Net(2027)では経営情報学部の2学科ともBF(ボーダーフリー)で、当サイトの中立判定はS(河合塾が難易度を算定できない最下層)です。難易度は最下層に位置します。ただし収容定員充足率は108.6%(私学事業団の大学ポートレート2025)で定員割れはしておらず、静かに衰退していくタイプの大学とは事情が異なります。
偏差値はどれくらいですか?
河合塾Kei-NetではBFです。一方でベネッセ(マナビジョン)の模試基準では経営情報学部41〜45(共通テスト得点率47%前後)、みんなの大学情報ではBF・得点率38〜40%と出ます。予備校ごとに受験する母集団が違うため数字が割れます。ひとつの偏差値で断定するより、基準を明示して読むのが正確です。
就職はどうですか?
私学事業団の大学ポートレート2025では、2024年度の卒業者122名中、就職109名・進学13名で、ほぼ全員の進路が確定しています。大学公式の就職先には西日本シティ銀行、Qtnet、NTTデータNCB、ケイアイスター不動産、トライアルグループなど、地元福岡の金融・IT・流通・公務が並びます。
学費は高いですか?
大学公式(令和8年度)で初年度納入金は1,101,000円、2年目以降は876,000円です。私立文系のなかでは標準からやや安めで、情報系を学べる点を考えるとコスト面は利点です。各選抜で試験成績8割以上なら授業料が全額給付される奨学金や、国の修学支援新制度も利用できます。
どんなことが学べますか?
経営情報学部の単科大学で、ITと経営・会計を横断して学びます。経営情報学科(3コース)と情報ネットワーク学科(2コース)があり、大学院の経営情報学研究科は税理士の税法・会計学の科目免除に対応する九州でも数少ない環境です。
恥ずかしい大学と言われるのは本当ですか?
知名度の低さと入試難易度の低さから、そうした声が出るのは事実です。ただし大学の価値は入口の偏差値だけで決まりません。就職の実数、資格支援、大学院の税理士免除といった出口と中身まで見て判断すべきで、一語で片づけるのは適切ではありません。