― 大学別データ判定 ―
純真学園大学は“誰でも入れる”Fラン?就職まで数字で判定した
河合塾Kei-Netの偏差値・私学事業団の充足率・大学公式の就職データだけで、感情を抜きに判定する

この記事の目次
河合塾の偏差値で見る純真学園大学のレベル
まず数字から確認する。純真学園大学は福岡市南区にある保健医療学部の単科大学で、学科は看護・放射線技術科学・検査科学・医療工学の4つだ。河合塾Kei-Net(2027年度入試)の難易度ランクは次の通りになる。
| 学部 | 学科 | 河合塾 偏差値(2027) |
|---|---|---|
| 保健医療学部 | 看護学科 | 35.0 |
| 保健医療学部 | 放射線技術科学科 | 37.5 |
| 保健医療学部 | 検査科学科 | 35.0 |
| 保健医療学部 | 医療工学科 | BF |
偏差値の中心は35.0前後。医療工学科はBF(ボーダーフリー)で、これは河合塾が合否のボーダーライン偏差値を算出できない、つまり不合格者がほとんど出ない水準を意味する。私が受験指導の現場で見てきた感覚でも、偏差値35前後という帯は、出願条件を満たし当日の試験でごく標準的な得点をすれば通るレンジだ。
ただし注意がいる。同じ大学でも媒体によって数字が違う。旺文社パスナビやスタディサプリはBFから40.0と表示し、ベネッセのマナビジョンは進研模試ベースで45から52と、かなり高い数字を出している。これは模試ごとに受験する母集団が異なるためで、進研模試は志望者層が幅広いぶん見かけの偏差値が上振れしやすい。当サイトは全国の大学を同一の物差しで並べるため、河合塾の数字を背骨に据えている。
この帯を当サイトの中立基準に当てはめると、純真学園大学の判定は「A:実質全入」。偏差値35前後で誰でも受かるに近い、いわゆる純Fラン帯だ。さらにその下に「S:BF」という、河合塾が難易度そのものを出せない真性Fランの層があり、医療工学科はそこに片足がかかっている。ここでいうFランは学校の価値の断定ではなく、あくまで入りやすさの物差しである点を先に断っておく。
比較でよく並べられるのは、福岡国際医療福祉大学、福岡看護大学、聖マリア学院大学といった九州の医療系大学だ。この帯は偏差値の差が小さく数字で優劣をつけにくいため、後述する充足率や国家試験の実績で見比べるのが実務的だと私は考えている。
ここが本題:収容定員充足率96.0%が示す二面性
偏差値だけを見て「Fランだから危ない」と切り捨てる記事は多い。だが私がこの大学を単純なFランと呼び切れないと考える理由が、もう一つの一次データにある。収容定員充足率だ。
私学版大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団、2025年公表)によると、純真学園大学 保健医療学部の収容定員充足率は96.0%。これは定員に対して実際にどれだけ学生が在籍しているかを示す数字で、経営の健全性と選ばれているかどうかを映す鏡になる。この軸を判定に組み込んでいるのが、偏差値とネットの噂だけを並べる他サイトにはない当サイト独自の視点だ。
ここに二面性がある。
一つ目の面は安心材料だ。入学定員を満たせない私立大が珍しくない近年にあって、96.0%はほぼ定員を満たしている水準に近い。偏差値も低く定員も埋まらず経営が細っていく、という真性Fランにありがちな負のスパイラルには入っていない。看護師や臨床検査技師といった医療系国家資格が取れる出口があるからこそ、偏差値の数字とは裏腹に人が集まっている、と読める。
二つ目の面は注意材料だ。裏を返せば充足率が100%を割っているのも事実で、入りやすさそのものは否定できない。そして96.0%という数字を支えているのは、大学の学術的な総合力ではなく資格の実利だ。つまり資格を取り切る前提が崩れた瞬間、この大学を選ぶ意味は大きく目減りする。偏差値の低さ(入りやすさ)と充足率の高さ(選ばれている)が同居している、これが純真学園大学の正体だと私は見ている。だからこの一大学を評価するときは、偏差値のスコア一枚ではなく、充足率と後述の出口データを重ねて読むべきだ。
「やばい・恥ずかしい」の噂を類型で検証する
検索窓に大学名を入れると「やばい」「恥ずかしい」といったサジェストが出る。これに不安を覚える人は多い。ただ、噂は個別の書き込みを鵜呑みにするのではなく、どういう類型かに分けて温度を測るのが正しい。私の見立てでは、純真学園大学に向けられる不安は大きく3つに分かれる。
類型1:偏差値が低いから恥ずかしい、という声。偏差値35前後は事実だ。ただ医療系の単科大学は、受験科目も志望する母集団も一般的な文系総合大とは違い、偏差値の数字がそのまま頭の良し悪しや大学の価値を表すわけではない。入学後に国家資格を取り切れるかどうかのほうが、この手の大学では本質的な評価軸になる。
類型2:就職が心配、という声。これは次章で公式データを使って詳しく反証するが、結論だけ言えば就職率も国家試験合格率も高く、少なくとも数字の上では心配は当たらない。
類型3:学生の質や素行を疑う伝聞。匿名掲示板や知恵袋には、在学生を貶めるような書き込みが散見される。ただし発信源が特定できず、真偽を検証する手立てがない。こうした個人を傷つけかねない伝聞を、ここで逐一取り上げることはしない。参考になるのは、みんなの大学情報の口コミ総合評価が5点満点で3.49(60件前後)と、極端に低くも高くもない中庸の水準にあることだ。施設や立地は高く評価される一方で、講義中の騒がしさや課外活動の少なさに不満が出ている、という程度の実像が見えてくる。噂の多くは、偏差値の低さを起点に想像で膨らんだ部分が大きいと私は受け止めている。
就職・進路:公式データで見る出口の強さ
Fランかどうかを論じるうえで、私がいちばん重視するのが出口だ。ここは大学公式と河合塾の一次データを主軸に据える。
河合塾Kei-Netの進学・就職実績によれば、2024年度の保健医療学部卒業者は237名で、うち就職者212名、就職91.1%、進学3.0%、その他5.9%。大学院(保健医療学研究科)の修了者9名は全員が就職している。医療専門職の養成校らしく、卒業生の大半がそのまま現場へ進んでいる構図だ。
国家試験の合格状況も強い。河合塾Kei-Net掲載の2025年度データでは、看護師98.8%(受験81名中80名合格)、保健師100%(10名中10名)。大学が資料等で公表している2025年3月卒業生実績では、看護師100%、診療放射線技師97.1%、臨床検査技師94.3%、臨床工学技士92.3%と、いずれの学科も高い水準にある。数字は媒体と対象年度で多少ぶれるが、どのソースでも合格率が9割を超える点は一貫している。
主な就職先も具体的だ。旺文社パスナビや進学情報サイトに掲載された実績を見ると、九州医療センター、九州がんセンター、産業医科大学病院、久留米大学病院、福岡大学病院、済生会福岡総合病院、浜の町病院、福岡和白病院、福岡徳洲会病院といった、九州の中核医療機関に複数名ずつ送り込んでいる。国立病院機構から私立大学病院、公的・民間病院まで進路の幅が広いのが特徴だ。
公式の就職サポート体制も厚い。就職係、1年次から固定のSG担当教員、進路対策委員会の三層で伴走し、年間の窓口来訪は3000件超、大学に寄せられる求人は約1600件にのぼる。偏差値の低さと出口の強さがここまで乖離する大学は、正直そう多くない。就職という一点だけを取り出せば、上位の総合大学と見劣りしないどころか、資格職への直結度ではむしろ勝る場面すらある。
純真学園大学で学べること・学部の特色
純真学園大学は保健医療学部の1学部体制で、看護学科、放射線技術科学科、検査科学科、医療工学科の4学科を同じキャンパスに置く。それぞれ看護師・保健師、診療放射線技師、臨床検査技師、臨床工学技士の国家資格(受験資格)取得を目指す構成だ。
最大の特色は、この4学科が同一キャンパスに揃っていることを活かしたチーム医療教育にある。多職種連携(IPE)のカリキュラムを1年次から組み込み、患者モデルを使ったシミュレーションで、職種の違う学生同士が連携する訓練を積む。実際の医療現場が医師を中心に複数の専門職の協働で回っている以上、学生のうちからその感覚を養える環境は実利的だ。検査科学科では法医科学のような、他ではあまり学べない専門領域にも触れられる。
教育の建学理念として、専門知識だけでなく医療人としての人間力を養う「純真学」を掲げているのも、この大学の色合いを表している。加えて大学院として保健医療学研究科(看護学専攻・保健衛生学専攻の修士課程)を持ち、2025年には高度実践看護師の養成課程も新設した。学部で資格を取り、さらに専門性を高める道も用意されている。学問の広さで進路を後から選ぶタイプの大学ではなく、医療職という出口に一直線に設計された大学だと理解しておくとよい。
入試方式と合格難易度
2027年度入試では、総合型選抜、学校推薦型選抜(公募)、一般選抜、大学入学共通テスト利用選抜、社会人選抜の5方式が用意されている。看護学科(定員100名)を例に取ると、募集は総合型選抜20名、学校推薦型選抜40名、一般選抜一期35名、共通テスト利用選抜I期は若干名という配分で、推薦系で定員の過半が埋まる設計だ。
一般選抜の科目は、英語が必須(100点・60分、リスニングは除く)。看護学科は国語(古典を除く)と理科から2教科、放射線・検査・医療工学科は国語・数学・理科から2教科を選ぶ。2教科型でリスニングもない構成は、負担が重くない部類に入る。
難易度としては、前述の通り河合塾判定で偏差値35前後、医療工学科はBF。私の感覚では、出願条件を満たし基礎学力を標準的に固めていれば合格圏に入れる大学だ。ただし人気の看護学科は推薦の比率が高く、一般で受けるなら枠が絞られる点は頭に入れておきたい。総合型・学校推薦型は多くが専願で、評定平均の基準もあるため、志望が固まっているなら早めに動くほど有利になる。倍率は年度と方式で変動するので、出願前に旺文社パスナビなどで最新の入試結果を確認しておくことをすすめる。
学費と奨学金
初年度納入金は学科で分かれる。大学公式ページによると、看護学科と放射線技術科学科が1,686,000円、検査科学科と医療工学科が1,586,000円。内訳は入学金200,000円、授業料900,000円に、施設設備維持費・実験実習費・課外活動費・諸会費が加わる形だ。入学金は初年度のみで、これとは別に教科書代や学外実習費が必要になる。医療系の私立大としては標準的な水準で、突出して高くも安くもない。
| 学科 | 初年度納入金(大学公式) |
|---|---|
| 看護学科 | 1,686,000円 |
| 放射線技術科学科 | 1,686,000円 |
| 検査科学科 | 1,586,000円 |
| 医療工学科 | 1,586,000円 |
奨学金・特待生も手厚めだ。大学独自の入学者特待生は、Aが授業料相当額の全額、Bが半額を最長4年給付する。在学者向けの特待生・奨学生制度もある。さらに入学金の減免制度が独特で、本学卒業生や在学生の兄弟姉妹、系列の純真高等学校の卒業生などは入学金(200,000円)が全額免除される。学園内からの進学者を優遇する設計だ。これらに加えて日本学生支援機構や自治体・民間の奨学金も併用できるため、条件次第では実質負担をかなり圧縮できる。
立地・キャンパス
キャンパスは福岡県福岡市南区筑紫丘1-1-1。福岡市の中心部に近い都市型の立地で、口コミでもアクセスの良さと施設の新しさが評価点として繰り返し挙がる(みんなの大学情報でアクセス・立地3.82、施設・設備3.86)。医療系だけあって、模擬病棟をはじめとする実習設備が充実しているという声が多い。4学科が一つのキャンパスに集約されているため、チーム医療の演習を物理的に近い距離で回せるのも強みだ。通学のしやすさは、実習が多い医療系の学生生活では想像以上に効いてくる。一方で、規模の大きな総合大学のような華やかな学生生活を期待すると、サークルやイベントの選択肢は限られると感じるかもしれない。学問の場というより資格取得の場としての性格が、キャンパスの造りにも表れている。
純真学園大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえて、私なりに適性を整理する。
向いている人。看護師や臨床検査技師など、医療系の国家資格を取って現場で働くことが明確に決まっている人。偏差値という数字より、資格と就職という出口を優先したい人。地元・九州で医療職に就きたい人。手厚いサポートを受けながら、腰を据えて資格取得に集中したい人。こうした人には、入りやすさと出口の強さの両方が噛み合う。充足率96.0%が示す通り、同じ目的で人が集まっている環境でもある。
合わない人。大学名の偏差値やブランドを重視する人、幅広い学問から進路を後で決めたい人、資格取得へのモチベーションがまだ定まっていない人には向かない。この大学の価値は資格を取り切って初めて回収される設計なので、途中で医療職への意欲が揺らぐと、入りやすさが逆にリスクへ変わる。総合大学らしいキャンパスライフを求める人も、期待とのズレを感じやすいだろう。要は、目的が医療資格で一致しているかどうかが、この大学の当たり外れを分ける。
まとめ:純真学園大学はFランなのか
結論を改めて言う。河合塾の偏差値35前後という数字だけを物差しにすれば、純真学園大学は当サイトの中立基準で「A:実質全入」、いわゆる純Fラン帯に入る。この点はごまかさない。
だが、それだけで判断するのは早計だ。収容定員充足率96.0%という一次データは、この大学が定員割れの負のスパイラルに陥っておらず、医療系資格という実利で選ばれ続けていることを示している。就職91.1%、国家試験合格率も学科によって92から100%と、出口は数字の上で明確に強い。入りやすさと出口の強さが同居している、これが純真学園大学の実像だ。だから「Fランか」という問いへの私の答えは、偏差値上はそう分類されるが、資格を取り切る前提なら投資に見合う可能性が高い大学、になる。判断の物差しを偏差値からその一点先へずらせるかどうかが、この大学を正しく評価する分かれ目だ。
よくある質問
純真学園大学はFランですか?
河合塾Kei-Net(2027年度)の偏差値は看護35.0、放射線技術科学37.5、検査科学35.0、医療工学BFで、当サイトの中立基準では「A:実質全入」に該当します。偏差値だけならFランと分類される帯ですが、収容定員充足率は96.0%(私学事業団2025)で定員割れではなく、就職や国家試験の実績は高い水準にあります。数字上の入りやすさと出口の強さは分けて評価すべきです。
純真学園大学の就職はどうですか?
河合塾Kei-Netの2024年度データでは保健医療学部卒業者237名のうち就職者212名、就職率91.1%。主な就職先は九州医療センター、産業医科大学病院、久留米大学病院、福岡大学病院、済生会福岡総合病院など九州の中核医療機関です。就職係やSG担当教員による伴走型サポートがあり、大学に寄せられる求人は年間約1600件とされています。
純真学園大学の国家試験合格率は?
大学が公表している2025年3月卒業生実績では、看護師100%、診療放射線技師97.1%、臨床検査技師94.3%、臨床工学技士92.3%。河合塾Kei-Net掲載の2025年度データでも看護師98.8%、保健師100%と、媒体や年度で多少の差はありますがいずれも高い合格率です。
純真学園大学の学費はいくらですか?
大学公式ページによる初年度納入金は、看護学科と放射線技術科学科が1,686,000円、検査科学科と医療工学科が1,586,000円です。内訳は入学金200,000円、授業料900,000円に施設設備維持費・実験実習費などが加わります。別途、教科書代や学外実習費が必要です。入学者特待生(授業料相当額の全額または半額給付)や、系列校卒業者向けの入学金減免制度もあります。
純真学園大学はどんな人に向いていますか?
看護師・診療放射線技師・臨床検査技師・臨床工学技士などの医療系国家資格を取り、現場で働くことが決まっている人に向きます。偏差値やブランドより資格と就職という出口を優先する人、九州で医療職に就きたい人には相性が良い一方、幅広い学問から進路を後で決めたい人や資格取得の意欲が定まっていない人には向きません。
純真学園大学のキャンパスはどこにありますか?
福岡県福岡市南区筑紫丘1-1-1にあります。福岡市中心部に近い都市型立地で、口コミではアクセスの良さ(みんなの大学情報でアクセス・立地3.82)と、模擬病棟など実習設備の充実(施設・設備3.86)が評価されています。保健医療学部の4学科が同一キャンパスに集約されているのが特徴です。