― 大学別データ判定 ―
福岡国際医療福祉大学は本当にFラン?いや、偏差値45の実力を数字で論破する
河合塾偏差値・国家試験合格率・就職と、私学版大学ポートレートの収容定員充足率という一次データで、持ち上げも貶めもせず中立に実像を判定します

この記事の目次
福岡国際医療福祉大学の偏差値(河合塾Kei-Net2027・学部学科別)
私が受験指導で最初に確認するのは、大学全体の平均値ではなく学部学科ごとの偏差値です。福岡国際医療福祉大学は医療学部と看護学部の二学部制で、学科によって難易度がはっきり分かれます。河合塾Kei-Net2027の偏差値は下表の通りです。
| 学部 | 学科 | 偏差値(河合塾Kei-Net2027) |
|---|---|---|
| 医療 | 診療放射線 | 45.0 |
| 医療 | 理学療法 | 42.5 |
| 医療 | 言語聴覚 | 42.5 |
| 看護 | 看護 | 42.5 |
| 医療 | 作業療法 | 35.0 |
| 医療 | 視能訓練 | 35.0 |
代表値は42.5。最も高い診療放射線学科は45.0で、これは河合塾のランク帯でいえば中堅私大の下限から中位に届く水準です。一方で作業療法・視能訓練の35.0前後は、ボーダーフリー(BF、偏差値がつけられない全入)ではないものの、易しい部類に入ります。
媒体差の注記も添えます。旺文社パスナビ(河合塾系)は大学全体を37.5〜42.5、Benesseマナビジョンの偏差値は算出方式が異なり48〜54と高めに出ます。数字が媒体でぶれるのは正常で、同じ物差し(ここでは河合塾)で学科別に見るのが正確です。
判定の第一段階として、代表偏差値42.5はBFではなく、当サイトの中立基準では明確に「Fランではない」側に入ります。ただし偏差値だけで医療系を語るのは片手落ちで、後述の国家試験と就職の出口とセットで見る必要があります。
ここが本題:収容定員充足率という一次データの二面性
偏差値の噂に振り回される前に、私が最も重視する客観データが収容定員充足率です。これは定員に対して実際に何人在籍しているかを示す数字で、定員割れかどうかが一目でわかります。私学版大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団)2025年度の数値から当サイトで算出すると、次の通りです。
| 年度 | 収容定員 | 在学生数 | 充足率(当サイト算出) |
|---|---|---|---|
| 2023 | 920 | 989 | 約107.5% |
| 2024 | 1,020 | 1,101 | 約107.9% |
| 2025 | 1,128 | 1,230 | 約109.0% |
3年連続で在学生数が収容定員を上回っています。充足率が100%を割る定員割れが地方私大で常態化するなか、この大学は約109%と定員を超過して学生を集めています。「Fランは定員割れで誰でも入れる」というイメージとは、この一点だけでも噛み合いません。
ここからが二面性です。充足率が高いことは需要と人気の証明であって、入試難易度の証明ではありません。充足率は集まっているかを測る指標で、学力で絞っているかを測る指標ではないのです。実際、収容定員そのものが920から1,020、1,128へと毎年拡大しています。これは看護学部(2021年)、言語聴覚学科(2023年)、診療放射線学科(2024年)と学科を増設してきた新しい大学ゆえで、定員を増やしながら埋め続けている点は評価できる一方、拡大期の充足率は「難関だから埋まる」ではなく「地域の医療職需要に乗って埋まる」性格が強いことは押さえるべきです。
結論として、充足率約109%は「Fランではない」ことの強い一次証拠になります。ただし充足率だけで難易度を語らず、偏差値(学力)・国家試験(教育の質)・就職(出口)の三点と重ねて読むのが正確です。
「福岡国際医療福祉大学 やばい・恥ずかしい」と言われる理由を類型で検証
検索サジェストに「やばい」「恥ずかしい」「Fラン」が並ぶと不安になりますが、噂には発生源のパターンがあります。私が調べた範囲では、理由は主に次の類型に整理できます。個別の匿名投稿を逐語で持ち込むことはせず、構造だけを検証します。
- 名前の混同:栃木県に本部を置く国際医療福祉大学(医学部の偏差値65前後)と名前が似ており、混同が起きます。片方の難関イメージが逆流して「難しすぎてやばい」と誤解される一方、「姉妹校を名乗るだけのFランでは」という逆の誤解も生みます。両校は同じ高邦会グループの姉妹校ですが、福岡国際医療福祉大学は学校法人高木学園が設置する別法人・別大学です。
- 2019年開学の新しさ:母体の福岡国際医療福祉学院(2001年開校)を基礎に、2019年に4年制大学化した新しい大学です。歴史ある医療系大学に比べ知名度が低く、「聞いたことがないからFラン」という短絡が起きやすい。
- 偏差値の数字の一人歩き:視能訓練・作業療法の35.0前後という一部学科の数字だけが切り取られ、大学全体が低偏差値と誤認されます。診療放射線45.0や看護42.5といった上振れは噂では語られません。
- 中堅帯のはざま:上には久留米大学や福岡大学の医療系、下にはBF校があり、その中間に位置します。はざまにいること自体が「上でも下でもない不安」を生みます。
- SNSのマナー系の投稿:学生の振る舞いに関する投稿が拡散することがありますが、これは母集団の大きい大学であれば同種の投稿が付きもので、大学の教育水準とは別問題です。真偽不明の個別投稿を大学評価の根拠にはしません。
これらはいずれも実態の評価ではなくイメージ由来の誤解です。恥ずかしいかどうかは主観ですが、少なくとも偏差値・充足率・国家試験・就職という客観データは、恥じる材料ではなく安心材料の側に寄っています。
就職・進路の実像(大学公式・大学ポートレート主軸)
医療・看護系の価値は偏差値より出口で決まります。ここは推測を排し、公式と一次寄りのデータだけで示します。まず教育の質を映す国家試験合格率(2025年実施・スタディサプリ進路掲載、本学新卒者)です。
| 資格 | 本学合格率 | 合格者数 | 全国合格率 |
|---|---|---|---|
| 看護師 | 100% | 96名 | 90.1% |
| 保健師 | 100% | 15名 | 94.0% |
| 理学療法士 | 100% | 44名 | 89.6% |
| 作業療法士 | 97.2% | 35名 | 85.8% |
| 視能訓練士 | 100% | 38名 | 96.8% |
言語聴覚学科(2023年開設)・診療放射線学科(2024年開設)は完成年度前で、国家試験の受験実績はこれからです。既存学科の合格率はいずれも全国平均を上回っており、偏差値の数字からは想像しにくい高い水準です。これが教育の質を示す一次データになります。
就職については以下の通りです。
- 就職率は本学および国際医療福祉大学グループの公表でほぼ毎年100%。Fランデータの集計でも2025年卒は就職希望者203名に対し就職203名(100%)とされています。
- 主な就職先(大学ポートレート進路情報):看護学科はグループ施設の高木病院・福岡山王病院・福岡中央病院に加え、グループ外の九州大学病院・久留米大学病院・浜の町病院・大分大学医学部附属病院・鹿児島市立病院などの基幹病院。旺文社パスナビでは看護で高木病院15名・福岡中央病院6名などの実績が挙がっています。
- 主な進学先:国際医療福祉大学大学院。
- 就職の土台:約60のグループ関連医療福祉施設。人事担当者による学内説明会や1年次からのキャリア支援があり、資格取得からグループ就職への動線が太いのが構造的な強みです。
医療資格系は資格を取れば就職はほぼ決まる世界で、その資格を取らせ切る国家試験対策と、受け皿となるグループ施設の両輪が揃っている点は、偏差値の数字以上に実務的な価値があります。
学べること・学部の特色
福岡国際医療福祉大学は、医療専門職の養成に特化した実学志向の大学です。学部構成は次の通りです。
- 医療学部:理学療法学科・作業療法学科・言語聴覚学科・視能訓練学科・診療放射線学科。リハビリ専門職を核に、2023年に言語聴覚、2024年に診療放射線を増設し、医療技術系を広げてきました。
- 看護学部:看護学科(2021年度開設)。保健師の履修コース(選択制・定員あり)も設けられています。
特色として押さえておきたいのは以下の点です。
- チーム医療・チームケア教育:学科の垣根を越えて連携する多職種連携教育を教育目標に掲げています。
- 実習環境:キャンパスに隣接する福岡山王病院、グループ発祥の高木病院、柳川リハビリテーション病院など、約60のグループ施設で臨地実習を行えます。入学初期から現場に触れられるのが強みです。
- 海外研修:複数の国や地域の医療機関と学術交流協定を結び、約2週間の海外研修を全員参加型で実施(海外保健福祉事情)。国際的視野を教育の柱に据えています。
偏差値の数字だけでは見えない、資格を取って現場で使える人材を育てる実学志向が学びの中心です。
入試方式と合格難易度
入試は複数方式が用意されています。
- 一般選抜(前期・後期)
- 大学入学共通テスト利用選抜
- 学校推薦型選抜
- 総合型選抜
共通テスト得点率の目安は看護学部で約65%、医療学部で40〜65%程度(媒体調べ)。学科別の倍率(Fランデータ集計・2025年度)は次の通りで、同じ大学でも学科で難易度が分かれます。
| 学科 | 2025年度倍率 | 2024年度倍率 |
|---|---|---|
| 診療放射線 | 4.9倍 | 4.1倍 |
| 看護 | 3.1倍 | 2.2倍 |
| 理学療法 | 3.0倍 | 5.0倍 |
| 言語聴覚 | 1.8倍 | 2.1倍 |
| 作業療法 | 1.6倍 | 1.7倍 |
| 視能訓練 | 1.6倍 | 1.6倍 |
診療放射線は倍率4.9倍と、偏差値45.0に見合う競争が起きています。視能訓練・作業療法は倍率1.6倍前後で入りやすい部類ですが、BF(全入)ではなく選抜は機能しています。合格難易度は学科によるが正確な答えで、大学全体を一括りにFランと断じるのは実態に合いません。
学費と奨学金
医療系私大としては標準的な水準です。公式の2027年度入学者向けの金額は下表の通りです。
| 学部 | 初年度学生納付金 | 4年間合計 |
|---|---|---|
| 看護学部 | 1,610,000円 | 6,140,000円 |
| 医療学部 | 1,550,000円 | 5,900,000円 |
内訳は入学金30万円(初年度のみ)、授業料90万円/年、実験実習費、施設設備費などです。別途、教育後援会年会費45,000円/年、海外研修積立金50,000円/年(1・2年次)、看護の保健師コース選択時50,000円などがかかります。
奨学金は次の制度があります。
- 特待奨学生制度:一般選抜前期・共通テスト利用選抜の合格者から選抜。特待奨学生Sは在学期間中の授業料100%相当額、Aは50%相当額を給付します。特別な申請は不要で、対象入試の受験生全員が選抜対象です。学費負担を大きく下げられる制度で、成績上位で狙う価値があります。
- 日本学生支援機構の給付・貸与奨学金、本学独自の学生修学支援事業も利用可能です。
4年で約590万から614万円は、私立の医療・看護系としては突出して高くも安くもない相場です。特待を取れれば実質負担は大きく変わります。
立地とキャンパス
所在地は福岡県福岡市早良区百道浜3-6-40。福岡市の海沿い「シーサイドももち」エリアに位置します。
- アクセス:藤崎駅から徒歩約14分。福岡市中心部からのアクセスも良好です。
- 環境:隣接する福岡山王病院をはじめ、教育・医療・福祉が一体化した立地です。福岡市総合図書館や福岡市博物館なども近いアカデミックな環境にあります。
- 実習動線:キャンパスに病院が隣接しているため、通学圏で臨地実習が完結しやすいのは医療系として実用的な利点です。
口コミの参考値として、みんなの大学情報では3.7点/5点(私立437位/591校中)、Yahoo!マップのクチコミは3.63(35件)と、平均前後の評価です。数字が突出して低いわけではありません。
福岡国際医療福祉大学が向く人・合わない人
データを踏まえ、私の受験指導の視点で向き不向きを整理します。まず向く人です。
- 理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・視能訓練士・診療放射線技師・看護師など、医療専門職の国家資格を取って働くと決めている人
- 偏差値のブランドより、国家試験合格率と就職の確実性を優先する人
- 福岡・九州で医療職として働きたい人(グループ施設の就職基盤が地元で強い)
- 入学初期から現場実習に触れたい人
反対に合わない人は次の通りです。
- 大学名の知名度やブランドで進学先を選びたい人(2019年開学で全国的知名度はこれから)
- 医療専門職に就く意思がまだ固まっておらず、幅広い進路を保留したい人(資格特化のため方向転換はしにくい)
- 学費を最優先で抑えたい人(国公立の医療系に届く学力があるなら学費差は大きい)
Fランかどうかより、医療専門職になる覚悟があるかで判断すべき大学です。
まとめ:福岡国際医療福祉大学はFランか
当サイトの中立判定の結論は明確です。福岡国際医療福祉大学はFランではありません。根拠を並べます。
- 代表偏差値42.5(河合塾Kei-Net2027)はBFではなく、診療放射線は45.0。低い学科でも35.0前後で全入ではない。
- 収容定員充足率は約109%(私学版大学ポートレート2025から当サイト算出)。3年連続で定員超過で、定員割れとは正反対。
- 国家試験合格率は既存学科でいずれも全国平均超え(看護師・理学療法士・視能訓練士で100%など、2025年実施)。
- 就職率はほぼ100%で、約60のグループ施設という受け皿を持つ。
一方で、2019年開学ゆえの知名度の低さ、学科による偏差値・倍率の差、資格特化ゆえの進路の狭さは事実です。持ち上げも貶めもせずに言えば、これはブランド校ではないが医療専門職の出口が堅い実学の大学です。医療・看護系は偏差値の数字より国家試験と就職の出口で評価すべきで、その物差しで見れば「やばい」「恥ずかしい」という噂は実態と噛み合っていません。
よくある質問
福岡国際医療福祉大学はFランですか?
当サイトの中立判定ではFランではありません。代表偏差値は42.5(河合塾Kei-Net2027)でボーダーフリーではなく、収容定員充足率も約109%と定員超過です。ただし作業療法・視能訓練など一部学科は偏差値35.0前後と易しめで、難易度は学科で差があります。
栃木の国際医療福祉大学と同じ大学ですか?
別法人の別大学です。どちらも高邦会グループの姉妹校ですが、福岡国際医療福祉大学は学校法人高木学園が2019年に開学した福岡市の大学です。名前が似ているため混同されやすく、それが「やばい」と検索される一因になっています。
就職はできますか?
就職率はほぼ100%です。看護は九州大学病院や久留米大学病院などの基幹病院、リハビリ系はグループの高木病院や柳川リハビリテーション病院などに進んでいます。約60のグループ施設が受け皿になっています(大学ポートレート・公式)。
国家試験の合格率は?
2025年実施で看護師100%(96名)、理学療法士100%(44名)、視能訓練士100%(38名)、作業療法士97.2%、保健師100%と、いずれも全国平均を上回っています(スタディサプリ進路掲載・本学新卒者)。言語聴覚・診療放射線は完成年度前で受験実績はこれからです。
学費はいくらですか?
公式の2027年度入学者で看護学部が4年計約614万円、医療学部が約590万円です。別途、教育後援会費や海外研修積立金がかかります。特待奨学生に選ばれると授業料の100%または50%相当が給付され、実質負担は大きく下がります。
偏差値の低い学科でも大丈夫ですか?
医療・看護系は偏差値より出口(国家試験と就職)で評価すべきです。視能訓練・作業療法は偏差値35.0前後ですが、国家試験合格率は視能訓練士100%・作業療法士97.2%と高水準です。入学後に国家資格を取り切れる教育体制がある点が実務的な安心材料です。