― 大学別データ判定 ―
【偏差値が出ない】フェリス女学院大学は本当にFランなのか、データで判定
河合塾の偏差値、私学事業団の収容定員充足率、大学公式の進路データだけで「Fランか」を検証する

この記事の目次
フェリス女学院大学の偏差値は35.0前後(河合塾Kei-Net)
まず動かせない数字から確認します。河合塾のKei-Net(2027年度入試難易予想)では、フェリス女学院大学グローバル教養学部の3学科はいずれもボーダー偏差値35.0です。旺文社の大学受験パスナビでも同大学の偏差値は「BF(ボーダーフリー)から35.0」と表示されており、複数の大手予備校系データが同じ水準を指しています。なおグローバル教養学部は、旧・文学部/国際交流学部/音楽学部を発展的に改組し、2025年4月に誕生した1学部3学科9専攻の新学部です。
| 学部 | 学科 | 河合塾ボーダー偏差値 |
|---|---|---|
| グローバル教養学部 | 国際社会学科 | 35.0 |
| グローバル教養学部 | 心理コミュニケーション学科 | 35.0 |
| グローバル教養学部 | 文化表現学科 | 35.0 |
出典:河合塾Kei-Net 2027年度入試難易予想(ボーダー偏差値)/旺文社パスナビ(BF〜35.0)
偏差値35.0は、一般に「Fラン」と呼ばれる帯(おおむね偏差値35前後以下、またはBF)に当たります。私は受験指導を8年続けてきましたが、この帯は受験者の多くが合格ラインに届く水準で、選抜性は強く働きません。ここだけを見れば、フェリスがネット上でFランと呼ばれる理由そのものは理解できます。
ただし早合点を避けたい点が2つあります。1つは、フェリスには受験科目が少ない方式があり、科目数の多い国公立や難関私大と偏差値を単純に横並びにすると実力差を過小評価しやすいこと。もう1つは、偏差値はあくまで入口の難易度で、卒業後の進路や教育内容とは別物だという点です。この2つは後の章で、大学公式の数字とともに検証します。
ここが本題:収容定員充足率80.1%が示す二面性
偏差値はどのFラン論でも語られます。当サイトが独自に重視するのは、私学版大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団)が公表する収容定員充足率です。これは在籍学生数が収容定員の何割かを示す指標で、フェリス女学院大学は80.1%(2025年度データ)でした。つまり定員のおよそ2割が空席で、いわゆる定員割れの状態です。この一次データは、偏差値だけでは見えない大学の体力を映します。
この80.1%には二面性があります。
- 弱含みの面:充足率が100%を割ると、受験者の母集団が細り、合格ラインを高く設定しにくくなります。偏差値がBFや35.0前後に落ちやすい構造的な背景の一つと考えられます。少子化と女子大人気の相対的な低下という逆風も、この数字に表れています。
- 踏みとどまっている面:一方で80.1%は、真性Fランと呼ばれる大学群(充足率が5割から6割台に沈む水準)とは明確に違います。定員の8割が埋まるということは、まだ一定の受験者と選抜機能が残っているということ。誰でも受かるに近いが、完全に選抜が崩壊してはいない中間帯です。
だから当サイトの中立判定は、難易度が算出不能な最下層(S:BF)ではなく、偏差値35前後で実質全入に近い純Fラン帯を意味する「A:実質全入」としています。BFが真性Fラン、Aが実質全入という区分で、フェリスは後者です。数字を悪く盛ることも、良く見せることもせず、充足率80.1%という現実をそのまま置くと、この位置が最も正確だと私は考えます。
出典:私学版大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団)2025年度/収容定員充足率80.1%
「やばい・恥ずかしい」の噂を類型で検証する
検索候補には「フェリス女学院大学 やばい」「恥ずかしい」といった言葉も並びます。個別の書き込みをそのまま引くことはしませんが、噂を類型に分けると、根拠のある指摘と、印象論とを切り分けられます。
- 類型1:偏差値が低いから恥ずかしい。前章のとおり偏差値は35.0前後で、Fラン帯である事実は動きません。ここは印象ではなくデータです。ただし後述する就職の数字は、この偏差値からは想像しにくい水準にあります。
- 類型2:お嬢様イメージや校風への評価。伝統ある女子大という背景から、校風にまつわる印象論が語られがちです。これは数値化できない主観であり、本人が合うかどうかがすべてで、大学の学力評価とは切り離して考えるべきものです。
- 類型3:定員割れや学部改組の報道への不安。充足率80.1%という定員割れは事実で、2025年の学部改組もありました。これは弱含みの材料である一方、大学が需要に合わせて学びを組み替えた動きでもあります。危機とみるか、更新とみるかは評価が分かれます。
私の結論はシンプルです。「恥ずかしい」は主観であり、検証できるのは偏差値と充足率という数字だけ。その数字はFラン帯だが真性Fランではない、というのが公平な読み方です。噂に流される前に、次章の進路データを見てください。
就職・進路は大学公式データで見る(就職率99.6%)
Fラン論で最も抜けやすいのが、卒業後の進路です。ここは印象を排し、大学公式の進路状況データを主軸に置きます。下表は、フェリス女学院大学が公表した2023年度実績(2024年5月1日現在)の進路状況です。グローバル教養学部はまだ卒業生がおらず、この実績は旧・文学部/国際交流学部/音楽学部のものです。
| 学部 | 学科 | 卒業者 | 就職者 | 進学者 | その他 |
|---|---|---|---|---|---|
| 文学部 | 英語英米文学 | 95 | 76 | 4 | 15 |
| 文学部 | 日本語日本文学 | 97 | 83 | 3 | 11 |
| 文学部 | コミュニケーション | 105 | 95 | 1 | 9 |
| 国際交流学部 | 国際交流 | 209 | 188 | 7 | 14 |
| 音楽学部 | 音楽芸術 | 72 | 54 | 10 | 8 |
| 音楽学部 | 演奏 | 1 | 1 | 0 | 0 |
| 計 | 579 | 497 | 25 | 57 | |
出典:フェリス女学院大学「進路状況(2023年度実績)」
数字は正直に2通りで読みます。就職者497名を卒業者579名で割ると就職率は約85.8%(卒業者ベース)。一方、就職を希望した学生に対する割合は、スタディサプリ進路掲載の公式実績で就職率99.6%(就職希望者499名・就職者497名)。就職決定先への満足度も「大変満足・だいたい満足」が97.9%とされています。進学や留学、家業などで就職を選ばなかった層を除くと、就職を望んだ学生はほぼ全員が決めている、という読み方が実態に近いです。
質の面でも材料があります。旺文社パスナビ掲載の主な就職先(全学計)は、日本航空8名、日本生命保険6名、ANAエアポートサービス・日本調剤・アインホールディングス各5名、全日本空輸・明治安田生命保険各4名、警視庁・クリエイトエス・ディー・バリューHR各3名など。大学ポートレートでは商社・金融・運輸物流・ITなど幅広く、半数以上が総合職と説明されています。さらにベネッセのマナビジョンは、有名企業400社実就職率で3年連続の神奈川県内私立大学1位と紹介。過去には女子大の有名企業400社実就職率で全国5位(2018年卒・21.9%)に入った実績もあります。偏差値35.0からは想像しにくい進路の強さが、公式データには確かに残っています。
何を学べるか:グローバル教養学部の3学科9専攻
2025年4月にスタートしたグローバル教養学部は、1学部3学科9専攻の構成です。入学定員は国際社会学科195名、心理コミュニケーション学科180名、文化表現学科170名(合計545名)とされています。
- 国際社会学科(国際関係/地球社会・環境/国際ビジネス・観光の3専攻):政治・経済・外交・環境・観光など、グローバルな課題を理論と現場実習の両輪で学びます。
- 心理コミュニケーション学科(心理/メディア/共生コミュニケーターの3専攻):心理学・社会学・メディア論を横断。認定心理士や公認心理師につながる学びも用意されています。
- 文化表現学科(ヨーロッパ・アメリカ/日本・アジア/音楽・身体表現の3専攻):文学・音楽・舞台・映画などの表現とその背景を分析し、創作と発信の力を養います。
フェリスの伝統的な強みは語学です。英語・フランス語・ドイツ語・スペイン語・中国語・韓国語を週5から6回学べるインテンシブ・コースがあり、少人数クラスで教員のフィードバックがすぐ返る環境が整えられています。課題解決型(PBL)の授業を軸に、インプットとアウトプットを往復させる設計です。1870年創立という日本最古級のキリスト教主義女子教育機関で、教育理念は「For Others(他者のために)」。偏差値には表れないこの中身こそ、資料で確かめる価値があります。
入試方式と合格難易度:科目数の少なさを理解する
合格難易度を正しくつかむには、偏差値の数字だけでなく入試の設計を見る必要があります。フェリス女学院大学は、一般選抜、大学入学共通テスト利用選抜、学校推薦型選抜、総合型選抜など複数の入口を用意しています。就職では大学推薦に頼らない自由応募を原則としており、入試段階から多様な受け皿があります。
難易度面のポイントは、受験科目が少ない方式が用意されていることです。少ない科目で受けられる分、合格に必要な総合力のハードルは、科目数の多い難関大より下がります。河合塾のボーダー偏差値35.0や、パスナビのBF表記も、この受けやすさを反映した数字です。私の指導経験では、この帯は基礎を固め過去問で出題傾向に慣れれば、合格圏に十分届きます。裏返せば、選抜が強く働かないぶん、入学後にどれだけ学びを自分から取りにいけるかで4年間の価値が大きく変わる、ということでもあります。
最新の学科別の科目・配点・日程は年度で変わります。受験を具体的に検討する段階では、河合塾Kei-Netやパスナビの一覧に加えて、必ず大学公式の学生募集要項で確認してください。
学費と奨学金:初年度は約142万円
費用の目安も押さえておきます。ベスト進学ネット掲載の2026年4月入学生向け情報では、初年度年間納付額は1,420,300円、2年次以降は年間1,207,000円、これに同窓会終身会費40,000円(在籍期間中に徴収)が加わります。音楽・身体表現などパフォーミングアーツ科目を履修する場合は、別途実技料が必要です。金額は改定されることがあるため、最終確認は必ず大学公式の募集要項で行ってください。
奨学金は、給付と貸与の両方が整っています。大学独自では、フェリス女学院大学奨学会の学業成績優秀者給付奨学金や自己研鑽給付奨学金、経済支援給付奨学金、石間奨学金、江口奨学金などがあり、授業料の全額または半額を無利息で貸与する制度も設けられています。加えて日本学生支援機構の各種奨学金や、国の「高等教育の修学支援新制度」の対象校でもあり、要件を満たせば授業料等減免と給付奨学金をあわせて受けられます。私立女子大の学費水準としては標準的で、支援メニューの厚みは小規模大学ならではの個別対応と組み合わせやすい構成です。
出典:ベスト進学ネット(学費)/フェリス女学院大学 奨学金制度ページ
立地とキャンパス:横浜・緑園を中心に
キャンパスは神奈川県横浜市にあります。学びの中心となるのは緑園キャンパス(横浜市泉区緑園4-5-3)で、相鉄いずみ野線の緑園都市駅からアクセスします。グローバル教養学部は、この緑園キャンパスを中心に学ぶ設計です。加えて、音楽やパフォーミングアーツ系の学びには横浜山手の山手キャンパスが使われます。横浜という都市圏に位置し、都内へのアクセスも取りやすい立地は、インターンシップや企業セミナーなどキャリア支援の場を確保しやすい環境でもあります。
緑園エリアは住宅地に隣接した落ち着いた環境で、少人数教育と相性が良い静かなキャンパスです。派手さより、腰を据えて学ぶ環境を求める人には合う立地といえます。通学時間や周辺環境は入学後の満足度を大きく左右するため、可能ならオープンキャンパスで実際の雰囲気を確かめることをおすすめします。
フェリス女学院大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえ、私の視点で向き不向きを整理します。偏差値だけで決めず、自分がどちらに近いかで判断してください。
向いている人
- 語学や国際・心理・文化表現の分野を、少人数で腰を据えて学びたい人
- 入試の難易度より、入学後の就職支援やキャリア形成の手厚さを重視する人
- 航空・金融・商社・教育など、公式の主な就職先に並ぶ業界を志望する人
- 横浜・首都圏で通学しやすい女子大を探している人
慎重に考えたい人
- 大学名の偏差値ブランドや世間体を最優先したい人(偏差値はFラン帯である事実は変わりません)
- 大人数のマンモス校で幅広い人脈や多様な学部を求める人
- 共学の環境や、理工系・医療系など本学にない分野を志望する人
フェリスは、偏差値という入口では低く見えても、進路という出口では数字が反転する大学です。入口の評判で切り捨てるか、出口の実績まで見て選ぶかで、評価は大きく変わります。
まとめ:フェリス女学院大学はFランか
最後に結論をまとめます。河合塾のボーダー偏差値は35.0前後、パスナビはBF〜35.0で、フェリス女学院大学は数字の上でいわゆるFラン帯に入ります。当サイトの中立判定も「A:実質全入」で、偏差値35前後で誰でも受かるに近い純Fラン帯だと明記します。ここは印象ではなくデータです。
ただし当サイトが独自に重視する収容定員充足率は80.1%で、定員の8割が埋まっており、難易度が算出不能な真性Fラン(BF層)とは一線を画します。そして出口の数字、就職希望者ベースの就職率99.6%、有名企業400社実就職率で神奈川県内私立大1位という公式実績は、入口の偏差値からは想像しにくい強さです。
私(受験指導歴8年の森田涼)の見立てはこうです。フェリスは「入口はFラン帯、出口は堅実」という、偏差値一本では測り切れない大学。Fランという一語で切り捨てるのも、伝統や実績で偏差値を覆い隠すのも、どちらも公平ではありません。偏差値35.0・充足率80.1%・就職率99.6%という3つの数字を並べて、自分の目的に合うかで判断するのが、最も後悔の少ない選び方です。
よくある質問
フェリス女学院大学はFランですか?
河合塾のボーダー偏差値は35.0前後、パスナビはBF〜35.0で、数字の上ではFランと呼ばれる帯に入ります。当サイトの中立判定も「A:実質全入」です。ただし収容定員充足率は80.1%あり、難易度が算出できない真性Fラン(BF層)とは区別されます。偏差値ではFラン帯、体力の面では真性Fランではない、というのが公平な整理です。
フェリス女学院大学の偏差値はどのくらいですか?
河合塾Kei-Net(2027年度入試難易予想)では、グローバル教養学部の国際社会学科・心理コミュニケーション学科・文化表現学科がいずれもボーダー偏差値35.0です。旺文社パスナビでもBF〜35.0と表示されています。受験科目が少ない方式もあるため、科目数の多い大学と単純比較はできません。
フェリス女学院大学の就職は良いのですか、悪いのですか?
大学公式の2023年度実績では就職者497名・卒業者579名で、就職希望者ベースの就職率は99.6%(就職希望者499名・就職者497名)です。主な就職先には日本航空や日本生命保険などが並び、有名企業400社実就職率では3年連続で神奈川県内私立大学1位と紹介されています。偏差値からは想像しにくい堅実な進路です。
フェリス女学院大学が「恥ずかしい」と言われるのはなぜですか?
主な理由は偏差値がFラン帯であること、定員割れ(充足率80.1%)や学部改組があったこと、伝統的な女子大への印象論などです。このうち検証できるのは偏差値と充足率という数字だけで、「恥ずかしい」は主観にすぎません。就職の実績まで見れば、評価は数字で反転します。
収容定員充足率80.1%とはどういう意味ですか?
在籍学生数が収容定員の80.1%にとどまる、つまり定員の約2割が空席の定員割れ状態を指します(私学版大学ポートレート2025年度)。人気の弱含みを示す一方、5割から6割台に沈む真性Fランほど崩れてはおらず、選抜機能が一定残る中間帯といえます。
グローバル教養学部になって何が変わったのですか?
2025年4月に旧・文学部/国際交流学部/音楽学部を発展的に改組し、1学部3学科9専攻のグローバル教養学部が誕生しました。国際社会・心理コミュニケーション・文化表現の3学科で、語学のインテンシブ・コースや課題解決型(PBL)の学びを軸にしています。卒業生はまだ出ていないため、就職実績は旧3学部のものです。
参考・出典
- 河合塾 Kei-Net 大学検索システム(フェリス女学院大学 偏差値・進学就職実績)
- 私学版大学ポートレート(日本私立学校振興・共済事業団)フェリス女学院大学 進路・就職情報/収容定員充足率
- フェリス女学院大学 進路状況(2023年度実績・公式PDF)
- 旺文社 大学受験パスナビ フェリス女学院大学(偏差値BF〜35.0/主な就職先)
- フェリス女学院大学 グローバル教養学部(公式・2025年4月開設)
- スタディサプリ進路 フェリス女学院大学(就職率99.6%・満足度97.9%)
- ベスト進学ネット フェリス女学院大学 学費(2026年度 初年度1,420,300円)
- フェリス女学院大学 奨学金制度(公式)
- 大学プレスセンター 女子大の有名企業400社実就職率 全国5位(2018年卒)
- 大学ジャーナルオンライン グローバル教養学部 3学科9専攻・入学定員