― 大学別データ判定 ―
鶴見大学は“Fラン寄り”?境界の実力を充足率75.6%で判定
河合塾の代表偏差値37.5、収容定員充足率75.6%、大学公式の就職データから、噂の真偽を持ち上げず貶めず中立に判定します

この記事の目次
鶴見大学の偏差値は37.5前後。まず河合塾の数字を学部別に置く
私は元偏差値40の大学を出て、受験指導を8年やってきました。その経験から言うと、大学を語るときはまず一次データの偏差値を、噂ではなく学部別に並べるところから始めるべきです。鶴見大学は神奈川県横浜市鶴見区にある私立大学で、文学部と歯学部の2学部構成です。河合塾Kei-Netの入試難易予想(2027年度基準)を学科別に置くと、次のようになります。
| 学部 | 学科 | 河合塾偏差値 |
|---|---|---|
| 文学部 | 日本文学科 | 37.5 |
| 文学部 | 英語英米文学科 | BF |
| 文学部 | 文化財学科 | 37.5 |
| 文学部 | ドキュメンテーション学科 | 35.0 |
| 歯学部 | 歯学科 | 37.5 |
代表偏差値は37.5です。河合塾Kei-Netの一般選抜ボーダーラインでは、大学全体で偏差値35.0から37.5、共通テスト得点率は38%から47%とされています(出典:河合塾Kei-Net 鶴見大学ボーダーライン)。英語英米文学科のBFとはボーダーフリーの略で、合否が偏差値ではっきり分かれない、実質的に全入寄りの状態を指します。
ここで正直に補足します。偏差値は集計方法で数字が動きます。集約系サイトでは平均を取って40.8とEランク相当に置くもの(大学ランキング.com)もあり、進研模試ベースのマナビジョンでは文学部45から49、歯学部39から41と、河合塾より高めに出ます。当サイトは母集団が広く難関私大の指標として使われる河合塾を基準に、代表37.5を採用します。日東駒専クラスの平均偏差値が約48で、俗にFランの目安とされる水準(Fラン.comの整理)に照らすと、鶴見大学は数字の上ではその境界の下側に位置する、というのが冷静な現在地です。断定は避けますが、入りやすい大学であることは事実です。
ここが本題。収容定員充足率75.6%が示す二つの顔
偏差値だけなら他のブログでも読めます。当サイトが独自に重視するのは収容定員充足率という一次データです。これは在籍学生数を収容定員で割った数字で、その大学に人がどれだけ集まっているかを直接示します。私学版大学ポートレート(私学事業団)の2025年公表値で、鶴見大学の充足率は75.6%です(出典:大学ポートレート私学版 鶴見大学)。定員の約4分の1が埋まっていない、いわゆる定員割れの状態です。
この一つの数字には、正反対の二つの顔があります。
- 顔その一、入りやすさの裏付け。充足率75.6%は、代表偏差値37.5やBFという入試難易度と整合します。人が定員まで集まらない大学は、必然的にボーダーが下がり、実質全入寄りになります。つまり「入りやすい」という評判は、噂ではなく数字で裏付けられます。
- 顔その二、構造要因を差し引く必要。ただし充足率の低さを、そのまま「教育の質が低い」と読み替えるのは早計です。鶴見大学は歯学部を抱える小規模ワンキャンパスの大学で、全国の私立歯学部は18歳人口減の中で定員割れが常態化しています。低い充足率は鶴見固有の失点というより、歯学部という業界構造の影響を強く受けた数字でもあります。
私が言いたいのはこうです。充足率75.6%は「入口の緩さ」を測る優れた指標ですが、「学べる中身」や「卒業後の出口」を直接測る指標ではありません。だからこの数字を根拠に大学全体を切り捨てるのは、判定として雑です。入口は緩い、それは認める。そのうえで出口を別のデータで見る。これが充足率を軸にした中立の見方です。
「やばい・恥ずかしい」という評判を、類型に分けて冷静に検証する
「鶴見大学 やばい」「鶴見大学 恥ずかしい」で検索すると、塾や評判系のブログ、Yahoo!知恵袋、SNSの投稿が並びます。ただ、その多くは真偽が確定していない個別の主張や、匿名の書き込みです。当サイトは特定個人や大学の名誉に関わる逐語的な暴言や事件性の断定は扱いません。代わりに、ネットのネガティブ評価がどの型に属するかを整理し、型ごとに一次データで検証します。
- 類型1、偏差値レッテル型。35.0やBFという数字が一人歩きし、大学全体が低く見られる。これは前述のとおり数字は事実で、入りやすさは否定できません。ただしFランという語は定義が曖昧で、レッテルそのものに大学の中身を説明する力はありません。
- 類型2、歯学部コスパ不安型。学費が高いのに卒業まで時間や費用が読みにくい、という不安。学費が高額なのは後述のとおり事実です。進級や在学に関する個別の断定は避けますが、歯学部は入学より在学と国家試験が本当の関門だ、という構造は正しく共有すべきです。
- 類型3、出口不安型。歯科医師国家試験の合格率が全国平均をやや下回る年がある、という不安。これは後の就職章で新卒68.8%という一次データを示して検証します。
- 類型4、実像ギャップ型。噂が先行する一方で、図書館や立地はむしろ強みです。ここは噂と現物のギャップが大きい領域です。
結論として、鶴見大学の否定的な評判の大半は、歯学部の学費と国家試験という一点に集中しています。文学部を含む大学全体を「やばい」と一括りにするのは、対象を取り違えた評価だと私は考えます。
就職・進路。分母の違いで数字が変わることに注意
大学の出口は、噂ではなく公式データで見るのが鉄則です。ただし就職率は分母の取り方で印象が変わるので、両方を並べます。
文学部の2024年度卒業生について、河合塾Kei-Netの進路概況では、卒業242名のうち就職186名(80.1%)、進学4名(1.7%)、その他44名(18.2%)です(出典:河合塾Kei-Net 進学・就職実績)。一方でスタディサプリ進路が示す2025年3月卒業生の数字は、就職希望者208名に対し就職者190名で就職率91.3%です(出典:スタディサプリ進路 鶴見大学就職)。前者は卒業者全体を分母にした80%台、後者は就職を希望した人だけを分母にした91%台で、どちらも正しく、見ている母集団が違うだけです。就職を希望した学生はしっかり決まっている、と読めます。
主な就職先は、商社小売で日産神奈川販売やマツモトキヨシ、金融で横浜銀行、ITで日立システムズエンジニアリングサービス、教育で東京都や川崎市の教員採用などです(出典:スタディサプリ進路)。私学版大学ポートレートでも、文学部はサービス業、卸小売業、情報通信業、製造業と幅広く、近年は教員志望も増えていると記載されています。
歯学部の見方は特殊です。河合塾Kei-Netでは歯学部64名が就職0名、その他100%と出ますが、これは失業ではありません。歯科医師は国家試験合格後に1年以上の臨床研修が義務で、研修歯科医は統計上の就職には計上されず、その他に分類されるためです。だから医療系は偏差値や就職率でなく、国家試験と臨床研修という出口で評価すべきです。歯科医師国家試験(2025年度・第118回)の鶴見大学の成績は、全体61.0%(64/105)、新卒68.8%(44/64)、既卒48.8%(20/41)でした(出典:河合塾Kei-Net)。新卒はおおむね全国平均並みで、既卒を含む全体で平均をやや下回る、という水準です。なお短期大学部は保育科100%、歯科衛生科97%、合計98%(出典:鶴見大学公式 就職状況)と、資格系の出口は堅いのが実態です。
学べること。文化財とドキュメンテーション、そして歯学という尖った構成
鶴見大学の中身は、偏差値の低さから連想される「なんとなく大卒」とは少し違います。文学部は日本文学科、英語英米文学科、文化財学科、ドキュメンテーション学科の4学科です。注目は後ろの二つで、文化財学科は学芸員、ドキュメンテーション学科は図書館司書や情報管理といった資格職に直結しています。全国的にも珍しい専門学科で、偏差値では測れない専門性がここにあります。
その専門性を支えるのが図書館です。鶴見大学図書館は蔵書88万冊以上と貴重書を擁し、全国的にきわめて高い評価を受けています(出典:ベスト進学ネット)。視覚障害者向けの支援や3Dプリンターを使った手で見る展示など、ユニバーサルデザインの取り組みも知られています。司書や学芸員を志す学生にとって、この環境は明確な強みです。
歯学部は敷地内に歯学部附属病院を併設し、1日1000人以上が来院する規模で、卒後臨床研修の充実に力を入れています(出典:私学版大学ポートレート、リアル塾)。曹洞宗系の建学の精神(大覚円成 報恩行持)のもと、少人数のワンキャンパスで学部を超えた交流がある点も、この大学の性格です。要するに、大学名の看板より、資格職と専門実習という具体的な出口で選ぶ大学だ、というのが私の見立てです。
入試方式と合格難易度。入口より出口が問われる大学
入試は一般選抜、大学入学共通テスト利用、総合型選抜、学校推薦型選抜が用意されています。一般選抜のボーダーは偏差値35.0から37.5、共通テスト得点率は38%から47%です(出典:河合塾Kei-Net)。英語英米文学科はBFで、対策次第で合格が十分狙える水準です。合格難易度そのものは高くありません。
むしろ強調したいのは、鶴見大学は入口より出口が問われる大学だ、という点です。とくに歯学部は、入学は難しくない一方で、進級と歯科医師国家試験という本当の関門が入学後に待ち構えます。前章の合格率が示すとおり、入ってからの努力が結果を分けます。文学部でも、資格職を目指すなら司書課程や学芸員課程を計画的に履修する意思が要ります。誰でも入れる、は事実ですが、誰でも思いどおりの出口に届く、ではありません。入りやすさを、そのまま楽さと読み替えないことです。
奨学特待生選抜(文学部)や新入生特待奨学生選抜(歯学部)のように、成績上位者を学費面で優遇する入試方式もあります。実力があれば負担を下げて入学できる設計です。
学費・奨学金。文学部と歯学部で桁が違う
鶴見大学を語るうえで避けられないのが学費で、文学部と歯学部で桁が違います。2026年度の初年度納入金(参考)を並べます。
| 学部・学科 | 初年度納入金 |
|---|---|
| 歯学部 歯学科 | 350万円 |
| 文学部 日本文学科・英語英米文学科 | 135万円 |
| 文学部 文化財学科 | 148万円 |
| 文学部 ドキュメンテーション学科 | 147万円 |
いずれも入学金を含み、諸費を除いた金額で、別途諸費7万7000円を代理徴収します(出典:スタディサプリ進路、マナビジョン)。文学部は私立文系として標準的な水準です。一方で歯学部は6年間の総額が概算で2700万円台とされ(出典:リアル塾)、私立歯学部の中でも大きな金額です。ネットのコスパ不安型の評判は、この数字が背景にあります。歯学部を検討するなら、留年時の追加負担まで含めた資金計画は必須です。
負担軽減の制度は手厚めです。歯学部の新入生特待奨学生は学納金100万円から350万円免除(初年度)、文学部の奨学特待生は入学金を除く学納金の全額または半額免除(原則4年間、年次審査あり)といった独自制度があり、鶴見大学は高等教育の修学支援新制度の対象校で給付型奨学金や授業料減免も利用できます(出典:ベスト進学ネット、マナビジョン)。成績や家計の条件に合えば、額面より実負担を大きく下げられます。
立地・キャンパス。JR鶴見駅徒歩5分のワンキャンパス
立地は鶴見大学の分かりやすい強みです。JR鶴見駅から徒歩5分、京急鶴見も近く、横浜市鶴見区という東京と横浜の双方にアクセスしやすい位置にあります(出典:みんなの大学情報)。全学部が同じ敷地にあるワンキャンパス制で、少人数教育と学部を超えた交流が生まれやすい環境です。地上3階地下3階の記念館には456席の大学食堂や記念ホールがあります。
一方で口コミには、キャンパス内の階段が多い、坂がある、エレベーターが混雑する、といった声もあります(出典:みんなの大学情報)。雨の日や荷物が多い日は負担に感じる、という現実的な指摘です。派手なブランドや広大なキャンパスを期待する場所ではありませんが、通学のしやすさと落ち着いた学習環境を重視する人には合います。噂の「やばい」からは想像しにくい、堅実で静かなキャンパスだ、というのが実像です。
鶴見大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえて、向き不向きを整理します。
向いている人
- 図書館司書や学芸員など、資格職を目指したい人。文化財学科やドキュメンテーション学科の専門性が生きます。
- 歯科医師を本気で志し、入学後の進級と国家試験に努力を注げる人。出口で勝負する覚悟がある人。
- 少人数教育と質の高い図書館環境を重視する人。
- 東京と横浜の双方に通いやすい立地を優先する人。
- 大卒資格を堅実に取り、就職希望を叶えたい人(文学部の就職希望者ベース91.3%)。
合わない人
- 大学名の看板やブランドで評価されたい人。偏差値の序列を最優先する人には物足りません。
- 歯学部で、高額な学費や進級リスクを取れない人。資金計画が立たない場合は慎重に。
- 入りやすさを楽さと考え、入学後に努力を割く気がない人。この大学は出口で問われます。
まとめ。鶴見大学はFランか
正直に結論を出します。河合塾の代表偏差値37.5、収容定員充足率75.6%という数字は、鶴見大学が入りやすく定員も埋まりきっていない、境界の下側の大学であることを示しています。この事実は持ち上げても消えません。ですが、Fランという語は定義が曖昧で、偏差値には映らない価値があるのも事実です。文化財やドキュメンテーションという資格職への専門学科、全国評価の高い図書館、そして文学部の就職希望者ベース91.3%という出口。歯学部については偏差値でなく、新卒68.8%の歯科医師国家試験と臨床研修という医療系の物差しで測るべきです。
当サイト独自の中立判定はこうです。数字の上ではグレーの境界の下側だが、資格職と医療という出口で選ぶなら十分に選択肢になり得る大学。看板で選ぶなら合わないし、中身と出口で選ぶなら悪くない。持ち上げも、貶めもしません。あなたがこの大学に何を求めるかで、答えは変わります。
よくある質問
鶴見大学はFランですか?
河合塾の代表偏差値は37.5で、俗にFランの目安とされる日東駒専平均(約48)を下回る、境界の下側に位置します。当サイトはこの入りやすさは事実と認めたうえで、Fランという曖昧な語で一括りにはしません。資格職や歯科医師という出口、全国評価の高い図書館は偏差値に映らない価値で、看板でなく中身で選ぶなら選択肢になり得る大学だと判定します。
鶴見大学の偏差値はどのくらいですか?
河合塾Kei-Netの一般選抜ボーダーで大学全体が偏差値35.0から37.5、共通テスト得点率38%から47%です。学科別では文学部の日本文学科・文化財学科・歯学部歯学科が37.5、ドキュメンテーション学科が35.0、英語英米文学科はBF(ボーダーフリー)です。集計方法により40.8や進研模試ベースで高めに出る資料もあります。
歯学部の歯科医師国家試験の合格率は?
2025年度(第118回)の鶴見大学は、全体61.0%(64/105)、新卒68.8%(44/64)、既卒48.8%(20/41)でした(河合塾Kei-Net)。新卒はおおむね全国平均並み、既卒を含む全体で平均をやや下回る水準です。医療系は偏差値でなく、この国家試験と1年以上の臨床研修という出口で評価するのが妥当です。
鶴見大学は就職できますか?
文学部は卒業者全体を分母にすると就職80.1%(2024年度・河合塾Kei-Net)、就職希望者を分母にすると91.3%(2025年3月卒・スタディサプリ)です。主な就職先は横浜銀行、マツモトキヨシ、日産神奈川販売、教員採用など。短期大学部は合計98%です。歯学部は臨床研修へ進むため統計上は就職に計上されません。
学費はいくらかかりますか?
2026年度の初年度納入金(参考)は、歯学部歯学科350万円、文学部の日本文学科・英語英米文学科135万円、文化財学科148万円、ドキュメンテーション学科147万円です(入学金含む・諸費除く)。歯学部は6年間の概算が2700万円台とされます。新入生特待や高等教育の修学支援新制度など、負担を下げる制度は手厚めです。
なぜ「やばい」「恥ずかしい」と言われるのですか?
否定的な評判の多くは、偏差値の低さから来るレッテル、歯学部の高い学費と進級への不安、国家試験の合格率、の3点に集中しています。ただしその大半は歯学部に関する話で、文学部を含む大学全体を指すものではありません。図書館や立地はむしろ強みで、噂と実像のギャップが大きい大学です。