― 大学別データ判定 ―
【定員66.0%割れ】健康科学大学はやばい?偏差値と就職の真実
河合塾BF・私学事業団の充足率・大学公式の就職データを突き合わせ、山梨県の健康科学大学を一次データで判定する

この記事の目次
河合塾の偏差値はBF。健康科学大学の学部別データ
まず入口の難易度から確認する。健康科学大学の偏差値は、河合塾のデータで全学科が「BF(ボーダーフリー)」だ。BFとは、河合塾が合否可能性50%の境目となるボーダー偏差値を設定できない状態を指す。つまり数値としての偏差値がそもそも付かない、事実上の最下層帯である。
| 学部 | 学科・コース | 偏差値 |
|---|---|---|
| 看護学部 | 看護学科 | BF |
| 健康科学部 | リハビリテーション学科 理学療法学コース | BF |
| 健康科学部 | リハビリテーション学科 作業療法学コース | BF |
| 健康科学部 | 人間コミュニケーション学科 | BF |
出典は河合塾Kei-Net(2027年度入試向け)および旺文社パスナビ(河合塾提供、第1回全統記述模試、2026年7月1日更新)。パスナビの大学トップページでも「健康科学大学の偏差値はBF」「健康科学部の偏差値はBF、看護学部の偏差値はBF」と明記されている。数字だけを見れば、Fランと呼ばれても仕方がない位置にあるのは事実だ。
当サイトはこの状態を、独自の中立判定で「S」と位置づける。判定の基準はこうだ。S=河合塾が難易度(ボーダー偏差値)を出せない最下層で、いわば真性のFラン帯。A=偏差値35前後で誰でも受かるに近い純Fラン帯。健康科学大学は全学科がBFなので、AではなくSに該当する。これは大学の良し悪しを断じたものではなく、入口の難易度だけを機械的に区分したラベルだと最初に断っておく。
補足として、同じ河合塾でも母集団の違う模試や、ベネッセ系のマナビジョンでは別の数値が出る。ベネッセの山梨県一覧では健康科学大(看護)が44前後、健康科学大(健康科)が43前後と表示される年もある。母集団と算出方法が違えば、同じ大学でも数字は動く。私が本記事の共通言語として採るのは、難易度区分に広く使われる河合塾基準(BF)だ。
なお「健康科学 Fラン」で検索すると、山梨県のこの健康科学大学のほかに、福岡県の令和健康科学大学(2022年開学、まったくの別法人)や、常葉大学・畿央大学・藍野大学などの健康科学「部」も混ざって表示される。本記事が扱うのは、山梨県南都留郡富士河口湖町にある健康科学大学(2003年設置)である。ここを取り違えると偏差値も就職も別物になるので、最初に線を引いておく。
ここが本題。収容定員充足率66.0%が示す二つの顔
偏差値は誰でも語る。だが偏差値は入口の主観的な難易度に過ぎない。私がこの記事で最も見てほしいのは、当サイト独自の一次データ軸である収容定員充足率だ。健康科学大学の充足率は66.0%(出典:私学版大学ポートレート/日本私立学校振興・共済事業団、2025)。
充足率とは、入学者数を収容定員で割った割合を指す。定員100人に対して66人なら66.0%。100%を割っていれば定員割れである。この66.0%という数字には、正反対の二つの顔が同居している。
- 顔その一(不安側)。定員割れは、その大学の人気や集客力、ひいては経営面の弱さを映す。志願者が定員を上回らなければ、入試で学力による選別が働きにくくなり、偏差値がBFへ沈む構造的な一因になる。ここがFラン・やばいと言われる土台だ。
- 顔その二(見落とされる側)。定員に対して門戸を絞っていないということは、医療系の国家資格ルートに、浪人や過度な受験競争を経ずに乗れるという意味でもある。加えて、定員に満たない在籍数は、少人数教育を構造的に生みやすい。教員と学生の距離が近いという口コミは、この数字の裏返しでもある。
つまり66.0%は、危険水域とも狙い目とも読める両義的な数値だ。偏差値が入口の難易度を示すのに対し、充足率は市場の需給を示す。両方を並べて初めて、この大学の実像が立ち上がる。ネット上の匿名格付けは主観と印象が混じるが、充足率は事業団が毎年集計する公的な実データである点で、判断材料としての質が違う。私が偏差値だけで結論を出さないのは、この一次データがあるからだ。
もう一段踏み込む。医療系の単科大学は、定員規模がそもそも小さく設計されることが多く、地域の医療人材需要に対して手堅く供給する型の学校ほど、大規模総合大学のような高倍率にはなりにくい。66.0%を「人気がない」と一言で切るのは早計で、地方立地の医療系という業態特性も割り引いて読む必要がある。数字は事実、解釈は多面的、というのが本記事の立場だ。
「やばい」「恥ずかしい」の噂を類型で検証する
検索候補に並ぶ「やばい」「恥ずかしい」は、感情の言葉であって根拠の言葉ではない。ここでは個人の書き込みを逐語で持ち出さず、噂を発生源ごとに類型化して、一つずつ冷静に当てていく。
- 類型A・偏差値がBF=誰でも入れるから学歴として弱い、という不安。入口の難易度としては事実だ。ただし後述するように、医療系は国家試験の合格が最終ゲートであり、学歴フィルターより資格の有無が効く世界がある。BFという入口ラベルだけで出口まで決まるわけではない。
- 類型B・定員割れだから経営が心配、という不安。充足率66.0%は定員割れだ。数字は直視すべきだが、医療系単科の定員設計や地方立地という業態を割り引いて読む必要があるのは前章の通り。財務や設置計画の状況は大学が情報公開しているので、気になる場合は一次情報で確認するのが正しい向き合い方になる。
- 類型C・知名度が低い、地方だから無名、という印象。これは事実に近い一方で、就職の現場では大学名より国家資格と実習実績が問われるため、地元の病院・施設との結びつきが強いこと自体は強みにもなる。
- 類型D・学食やサークルなど大学生活の華やかさが乏しい、という在学者寄りの声。パスナビや口コミ系に見られる類型で、規模が小さいゆえの側面だ。少人数の手厚さと表裏一体で、価値観によって評価が割れる。
「恥ずかしいと感じるかどうかは目的意識次第」というのは、競合各サイトが共通してたどり着く結論でもある。私もそれに反対はしないが、そこに寄りかかって終わらせるつもりはない。恥という感情の正体は、たいてい他人の視線を先取りした不安だ。医療国家資格という明確な出口を握っている人にとって、その視線の優先順位は自然に下がる。差別的な物言いや、匿名掲示板の順位づけを事実であるかのように引くことは本記事ではしない。噂は噂として類型で扱い、判断は数字と公式データに戻す。
就職・進路。大学公式データが示す実像
Fラン論で最も抜け落ちやすいのが出口の話だ。ここは大学公式の進路データを主軸に置く。健康科学大学が公式サイトで示す就職率は99.3%(2024年度卒業生実績)。求人は年間およそ1,000件以上とされる。入口の偏差値がBFであることと、この出口の数字は、はっきりレイヤーが違う。
主な就職先も公式の進路ページ(2021年度〜2024年度卒業生実績)から確認できる。
- 看護学科。山梨大学医学部附属病院をはじめ、県立・独立行政法人系の病院が中心。自治体の保健師(山梨・長野・神奈川など)として採用される例や、大学院(清泉女学院大学など)へ進む例も記載されている。
- 理学療法学科。山梨中央病院(山梨県立病院機構)、山梨赤十字病院、加納岩総合病院など県内の主要病院に加え、長野松代総合病院、諏訪赤十字病院、岡谷市民病院など長野県、さらに静岡・埼玉・東京・神奈川の医療機関へも広がる。受け入れの多くは病院のリハビリテーション科や整形外科だ。
医療系の就職を読むうえで外せない前提がある。看護師・理学療法士・作業療法士の養成課程は、国家試験の合格が最終ゴールだという点だ。国家試験に受かって資格を手にすれば、偏差値60の文系学部卒と同じ土俵で採用選考に立てる。ここでは学歴フィルターより資格の有無が効く。BFという入口ラベルが、そのまま就職弱者を意味しない理由がこれだ。
国家試験の合格率については、外部のまとめ(大学受験うわさ研究所)の集計で、看護師が概ね70〜90%台、理学療法士が80%台、作業療法士は年度によって振れ幅が大きい、といった傾向が示されている。ただしこれらは年度差が大きく、学科別の最新値は必ず大学公式または厚生労働省の発表で確認してほしい。断定できない数字を断定しないのが、この記事の約束だ。確実に言えるのは、公式の就職率99.3%(2024年度)という出口の実データである。
学べること。2学部3学科で何を身につけるか
健康科学大学は、看護学部と健康科学部の2学部3学科で構成される医療系の大学だ。何の資格職を目指す学校なのかを整理しておく。
- 看護学部 看護学科。看護師を中心とした養成課程。保健師など保健医療分野の進路にもつながる。
- 健康科学部 リハビリテーション学科 理学療法学コース。理学療法士を目指す。スポーツ現場でのトレーナー活動など、地域のスポーツ大会と連携した実践の場が用意されている。
- 健康科学部 リハビリテーション学科 作業療法学コース。作業療法士を目指す。
- 健康科学部 人間コミュニケーション学科(福祉心理学科)。心理・福祉の領域を学ぶ。
大学が公式に掲げる特色(5つの推奨ポイント)は次の通りだ。第一に、富士山麓の自然に囲まれた学修環境。第二に、相手を思いやる心を基礎に置くホスピタリティ教育。第三に、VRやエコーなどの最新技術を取り入れ、チーム医療や国際研修まで視野に入れた教育。第四に、地域イベントやスポーツ大会への協力、インターンシップを通じた実践学習。第五に、教員との距離が近い少人数制のきめ細かな指導と進路サポート。これらは、充足率66.0%という数字が生む少人数構造と、実際に地続きになっている。
医療系を目指す人にとって、この学べることの明確さは、価値判断の軸になる。学部の看板が資格に直結しているため、入学後に何をやるかで迷いにくい。逆に、資格職に興味がないままブランド目的で入ると、カリキュラムの重さと目的のずれに苦しみやすい。ここは向き不向きの分岐点だ。
入試方式と合格難易度。BFの実際
入試方式は、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜、共通テスト利用など複数が用意されるのが医療系私大の一般的な形だ。具体的な方式・日程・科目は年度で変わるため、最新の学生募集要項で確認するのが前提になる。公式では2027年度入試概要と募集要項が公開されている。
合格難易度については、偏差値がBFである以上、倍率は低く、出願要件と基礎学力を満たせば道は開けやすい。私が受験指導で見てきた実感でも、BF帯は「試験で落とすための入試」ではなく「入学後にやり切れる人を受け入れる入試」に近い。ここで一つ釘を刺しておきたい。BF=楽、ではない。医療系は入学後の学修量が重く、実習も国家試験も待っている。入口が広いことと、4年間が楽であることは別の話だ。むしろ、入りやすさと引き換えに、入学後の努力量で差がつく構造だと理解しておくほうがいい。
負担軽減の面では、公式が2026年度入学者選抜において全入試種別で検定料を全額免除する措置を実施している。LINEでの個別相談は24時間受付、オープンキャンパスは8月・9月に開催予定とされる。出願前に気になる点を直接ぶつけられる窓口が整っているのは、少人数校らしい距離の近さだ。
ネット上の一部格付けサイトは、合格に必要な勉強時間を機械的に算出して見せることがあるが、そうした匿名の数値化は前提が粗く、鵜呑みにする意味は薄い。難易度の実像は、募集要項の要件と過去の倍率、そして自分が入学後にやり切れるかで測るべきだ。
学費と奨学金。初年度納入金の内訳
医療系は実習費がかさむため、学費は事前に把握しておきたい。初年度納入金は次の通り(出典:旺文社パスナビ、2026年5月調査時点、2026年度)。
| 学科 | 初年度納入金 | 主な内訳 |
|---|---|---|
| 看護学部 看護学科 | 1,865,500円 | 入学金30万/授業料90万/施設費30万/実習費30万/諸会費6.55万 |
| 健康科学部 リハビリテーション学科(理学・作業) | 1,666,300円 | 入学金30万/授業料90万/施設費20万/実習費20万/諸会費6.63万 |
| 健康科学部 人間コミュニケーション学科 | 1,146,300円 | 入学金10万/授業料75万/施設費20万/実習費3万/諸会費6.63万 |
4年間の総額は、学びコネクトの試算で看護学部が約630万円、健康科学部が約550万円とされる。ただし教科書・参考書代、学外実習時の交通費・宿泊費、実習着の購入費などは履修科目によって変動し、看護学部の学生保険(年4,500円)なども別途かかる。総額はあくまで目安として押さえ、確定額は必ず募集要項で確認してほしい。
奨学金は、日本学生支援機構の貸与・給付型といった一般制度に加え、大学独自の制度が用意されるのが通例だ。前章で触れた検定料の全額免除も、受験段階の負担を直接下げる施策として無視できない。医療系は在学期間中の出費が読みにくいので、入学前に奨学金と免除制度をセットで設計しておくと、家計の見通しが立ちやすい。
立地とキャンパス。富士山麓の2拠点
健康科学大学は山梨県内に2つのキャンパスを持つ。学部で通う場所が分かれる点に注意したい。
- 富士山キャンパス(健康科学部)。山梨県南都留郡富士河口湖町小立7187。富士急行線の河口湖駅から無料スクールバスで約15分。標高およそ1,000メートルの富士山麓に位置する。
- 桂川キャンパス(看護学部)。山梨県都留市四日市場909-2。学生の多くが電車通学だ。
通学と住まいの実態も見ておく。パスナビによれば、学生の約半数が大学近辺に下宿しており、家賃は4〜5万円台の物件が多い。通学手段は、健康科学部では半数が自家用車、4割が無料スクールバスを利用している。毎年10月には大学祭があり、健康科学部では蒼麓祭、看護学部では清麓祭が開かれる。
環境については、自然が豊かで学修に集中しやすい一方、周辺に遊興施設が少なく電車の本数も多くない、という在学者寄りの声がある。ここは価値観で評価が割れるところだ。都市部の刺激やアクセスを重視するなら物足りなく映るし、実習と国家試験に腰を据えて向き合いたいなら、むしろ余計な誘惑が少ない立地はプラスに働く。立地は良し悪しではなく、目的との相性で読むのが正しい。
向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえ、この大学が誰に向いていて、誰に向かないかを率直に整理する。
向いている人。看護師・理学療法士・作業療法士など、医療の国家資格を明確な目的にしている人。少人数で教員に手厚く見てもらいたい人。地方で腰を据えて、実習と国家試験に集中したい人。過度な受験競争や浪人を避け、資格職ルートに堅実に乗りたい人。こうしたタイプにとって、BFという入口の広さと充足率66.0%が生む少人数環境は、むしろ追い風になる。
合わない人。大学名のブランドで就職を有利にしたい人。都市部の華やかなキャンパスライフや大規模なサークル活動を求める人。そして、目的が定まらないまま「とりあえず大学へ」という動機で入る人。最後のタイプは、医療系カリキュラムの重さと目的のずれから、恥ずかしいという感情や後悔につながりやすい。恥は他人の視線を先取りした不安であることが多く、目的が明確な人ほどその視線に振り回されずに済む。
言い換えれば、この大学の評価は偏差値やラベルではなく、あなたが医療資格という出口を握るつもりがあるかどうかで決まる。数字はSでも、出口を握れば土俵は変わる。
まとめ。健康科学大学はFランか
結論を整理する。河合塾の偏差値は全学科BFで、当サイトの中立判定はS、すなわち真性のFラン帯だ。収容定員充足率も66.0%で定員割れ。入口の数字だけを見れば、Fランというラベルを外すことはできない。ここは事実として直視すべきだ。
だが医療系は、国家試験の合格が最終ゲートになる世界である。資格を手にすれば、偏差値60の文系学部卒と同じ土俵で採用選考に立てる。実際、大学公式の就職率は99.3%(2024年度卒業生実績)、求人は年間約1,000件以上。入口のBFという難易度ラベルと、資格職への出口は、明確にレイヤーが違う。
だから問うべきは「Fランかどうか」ではなく、「この4年で国家資格を取り切れるか」だ。充足率66.0%は危険水域とも狙い目とも読める両義的な数字で、少人数の手厚さという裏の顔を持つ。ラベルを恥じて立ち止まるより、出口を握るために4年を使えるかどうか。判断の重心はそこに置くべきだと、私は考えている。
よくある質問
健康科学大学の偏差値はどのくらいですか。
河合塾のデータでは全学科がBF(ボーダーフリー)で、合否50%のボーダー偏差値が設定されない最下層帯です(河合塾Kei-Net/パスナビ)。母集団の異なるベネッセ系では看護44前後・健康科43前後と表示される年もありますが、本記事は難易度区分の共通言語として河合塾基準のBFを軸にしています。
健康科学大学はFランですか。
河合塾がボーダー偏差値を出せないBF帯のため、当サイトの中立判定はS(真性のFラン帯)です。ただしこれは入口の難易度を機械的に区分したラベルであり、医療国家資格ルートとしての評価は偏差値とは別の軸で見る必要があります。
就職率や就職先はどうなっていますか。
大学公式によると就職率は99.3%(2024年度卒業生実績)、求人は年間約1,000件以上です。就職先は山梨大学医学部附属病院や山梨中央病院、山梨赤十字病院、長野県内の病院など、山梨・長野を中心とした医療機関や自治体の保健師などが公式の進路データに挙がっています。
学費はいくらですか。
2026年度の初年度納入金は、看護学科が約1,865,500円、リハビリテーション学科(理学・作業)が約1,666,300円、人間コミュニケーション学科が約1,146,300円です(旺文社パスナビ、2026年5月調査時点)。4年総額は看護約630万円・健康科学部約550万円が目安ですが、実習費や教材費で変動します。
収容定員充足率66.0%とは何を意味しますか。
入学者数を収容定員で割った割合が66.0%という意味で、定員割れの状態です(私学版大学ポートレート/私学事業団2025)。人気や経営面の弱さを示す一方、門戸が広く少人数教育が生まれやすいという裏の顔もあり、危険水域とも狙い目とも読める両義的な一次データです。
「恥ずかしい」という噂は本当ですか。
偏差値やブランドを重視する文脈では語られがちですが、医療国家資格という明確な目的を持つ人には気にする意味が薄い、というのが検証の結論です。恥は他人の視線を先取りした不安であることが多く、目的が定まっているほど左右されにくくなります。