― 大学別データ判定 ―
育英大学はFランで恥ずかしい?偏差値35・充足率116.8%の実像を暴く
河合塾Kei-Net2027の偏差値と私学事業団の充足率で読む、群馬・育英大学の実像

この記事の目次
育英大学の偏差値は3専攻とも35.0(河合塾Kei-Net)
まず数字から確認する。育英大学は群馬県高崎市に本部を置く教育学部の単科大学で、河合塾Kei-Netの2027年度入試難易予想では、教育学科の3専攻すべてが偏差値35.0だ。学部が一つしかないため、表は3行で完結する。
| 学部 | 学科・専攻 | 河合塾偏差値 |
|---|---|---|
| 教育学部 | 児童教育専攻 | 35.0 |
| 教育学部 | スポーツ教育専攻 | 35.0 |
| 教育学部 | 英語教育専攻 | 35.0 |
出典は河合塾Kei-Net(2027年度入試難易予想)。偏差値35.0という数字は、私立大学の中でも下位帯にあたり、世間で「Fラン」と呼ばれる水準に入るのは事実だ。ただし補足しておくと、指標によって数字は動く。私塾系の格付けサイトでは37前後と表示されることもあるし、模試の母集団が変われば見え方も変わる。本記事は最も参照されることの多い河合塾基準の35.0を背骨に据える。
ここで当サイトの判定基準を明示しておきたい。当サイトは下位帯を機械的に二段階で区別している。一つはS判定のBF、これは河合塾が難易度そのものを算出できない最下層、いわゆる真性Fランを指す。もう一つがA判定の実質全入で、偏差値35前後まで数値は出るものの、受験勉強を積んだ層から見れば誰でも受かるに近い、純Fラン帯を指す。この区別は当サイト独自の中立判定であり、大学の教育内容や社会的価値を序列化するものではない。
この整理でいうと、育英大学は河合塾が偏差値35.0という数値を出せている時点で、測定不能のBF帯ではない。当サイトの中立判定はA、実質全入だ。底なしの最下層ではないが、入試の難易度は高くない。ここが出発点になる。
ここが本題。収容定員充足率116.8%が語る二つの顔
偏差値だけを見て「Fランかどうか」を判定する記事は多い。だが私が受験指導の現場でもっと重視してきたのは、その大学が学生募集で生き残れているかどうかだ。それを一次データで測れるのが収容定員充足率。定員に対して実際に何人在籍しているかを示す比率で、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)の私学版大学ポートレートで公表されている。
育英大学の収容定員充足率は116.8%(私学版大学ポートレート・2025年)。定員を16.8ポイント上回って学生が集まっている状態だ。この数字には二つの顔がある。
一つ目の顔は、下位私大としてはむしろ健全だという事実。近年、地方の小規模私大では定員割れ、つまり充足率100%未満が広がり、私学事業団の集計では入学定員割れの私立大学が半数前後に達する年も出ている。定員割れが続く大学は、学納金収入が細り、学部縮小や募集停止に向かうリスクを抱える。育英大学は逆に定員を超えて学生を集めており、少なくとも沈みかけの船ではない。偏差値が低いこととは切り離して、教員養成という地域の需要に支えられ、募集が成立していると読める。
二つ目の顔は、充足率の高さは入試の難しさを意味しないという注意点だ。偏差値35.0の大学で定員を超える出願があっても、その多くは総合型・学校推薦型の専願で、合否のふるいは強くない。充足率116.8%は、人気で殺到しているというより、必要とされていて枠が埋まる、に近い。だから充足率は難易度の指標ではなく、経営の持続性と地域からの需要を映す指標として読むのが正しい。
この二面性を踏まえると、育英大学の像はこうなる。偏差値では純Fラン帯(A・実質全入)に位置しながら、定員割れに沈む下位私大とは違い、募集は堅調だ。Fランという一語で切り捨てると、この生き残れている理由が見えなくなる。偏差値と充足率、この二つをセットで見るのが当サイトの立場だ。
「育英大学はやばい・恥ずかしい」という噂を類型で検証する
検索候補に並ぶ「やばい」「恥ずかしい」といった言葉が気になる人は多いと思う。ネット上のネガティブな評は、中身を分解すると数パターンの類型に収まる。逐語で拾うより、型で見たほうが実態がつかめる。
- 序列煽りの類型。匿名掲示板やまとめ系では、下位大学を面白おかしく並べて順位づけする投稿が繰り返される。これは大学の中身ではなく、序列いじりという遊びの様式そのものであり、教育の質とは無関係だ。
- 知名度の低さの類型。2018年開学と歴史が浅く、全国的な知名度は高くない。名前を出しても通じにくいという体験が、恥ずかしいという言葉に変換されやすい。これは大学の実力ではなく認知の問題だ。
- 偏差値の一人歩きの類型。偏差値35.0という数字だけが切り取られ、中身を知らないまま断定されるパターン。就職や資格の実態を見れば印象は変わる。
- 別大学との混同の類型。ここは重要だ。育英大学(群馬・教育学部)と、育英館大学(北海道稚内・情報メディア学部、旧稚内北星学園大学)は完全な別法人だ。さらに仙台育英学園や各地の育英高校とも名前が近い。混同したまま書かれた評が、育英大学の評判として拡散していることがある。
参考までに、口コミ集約サイトのみんなの大学情報では、育英大学の評価は5点満点中4.1点、私立大学の口コミランキングで591校中84位という位置づけになっている(出典:みんなの大学情報)。在学者・卒業者の生の声としては、匿名掲示板の煽りとはかなり温度が違う。噂は類型で仕分けてから、一次データで確かめるのが正しい順番だ。
就職率97.1%。進路は教員・公務員・地元企業が軸
Fラン帯の大学で一番の不安は、卒業して就職できるのかだと思う。ここは推測ではなく一次データで見る。河合塾Kei-Netに掲載された大学ポートレート由来のデータでは、育英大学教育学部の2024年度卒業者は105名、就職者88名、進学者0名、その他3名で、就職率は97.1%だ(出典:河合塾Kei-Net大学検索システム、私立大は大学ポートレートより作成)。
就職先の中身は大学公式の進路実績が最も詳しい。育英大学公式サイトの2025年度卒業生の進路によれば、公立学校の教員として群馬県・長野県・新潟県・福島県・青森県・茨城県・神奈川県・横浜市・熊本県などで採用者を出している。公務員では群馬県警察、東京消防庁、防衛省自衛隊、市役所など。幼稚園・保育園・認定こども園は16施設、民間企業はスズキ、ALSOK、ベルク、ヤクルトなど約40社が挙がっている(出典:育英大学公式・進路実績)。
旺文社パスナビの教育学部の主な就職先には、群馬県教員17名、千葉県職員、埼玉県教員・神奈川県教員各2名などの記載がある(出典:旺文社パスナビ)。教員養成に特化した単科大学らしく、進路は教員・公務員・地元企業に集中している。全国区の大企業がずらりと並ぶタイプではないが、地元で教員や公務員を目指す人にとっては、実績が具体名で見える進路になっている。
一方で注意点も正直に書く。就職率97.1%は、就職を希望した人のうち決まった割合に近い数字で、教員採用試験の一発合格率や正規採用率とは別物だ。教員志望の場合、講師として現場に入りながら採用試験に再挑戦する道もある。数字の意味を取り違えないでほしい。大学公式は教員・公務員採用試験対策講座や、大手資格スクールTACと提携した学内ダブルスクールを設けており、採用試験に向けた後押しは手厚い部類だ。
育英大学で学べること。3専攻と取得できる資格
育英大学は教育学部教育学科の単科で、学びは教員・保育・スポーツ指導という人の成長を支える分野に絞られている。専攻は次の3つだ。
- 児童教育専攻。学校教育コースと幼児教育コースに分かれ、小学校教諭一種、幼稚園教諭一種、保育士、認定心理士などを目指せる。小学校の先生と保育士の両にらみができるのが強みだ。
- スポーツ教育専攻。保健体育の中学校・高等学校教諭一種のほか、日本スポーツ協会公認スポーツ指導者資格、日本サッカー協会の指導者資格などに対応する。部活動指導や地域スポーツを見据えた設計だ。
- 英語教育専攻。中学校・高等学校の英語教諭一種を軸にした専攻で、2026年4月設置予定(定員20人)。英語で教える力を持つ教員養成を掲げている。
資格の幅広さは、この規模の大学としては充実している。教職課程に加え、他専攻の科目を履修することで免許の種類を広げられる仕組みもある。学びの中心は明確で、教員か保育者か指導者になりたい人のための大学だと考えればわかりやすい。逆に言えば、経済・経営・理工・文学といった幅広い学問から選びたい人には、そもそも土俵が違う。建学の精神は公正、純真、奉仕、友愛(出典:大学ポートレート)で、道徳心を備えた教育・保育人材の養成を目的に掲げている。
入試方式と合格難易度。総合型・学校推薦型が中心
入試は大きく分けて、総合型選抜、学校推薦型選抜、一般選抜、共通テスト利用入試の4系統だ(出典:育英大学公式・入試区分)。
- 総合型選抜。本学を第一志望とし合格後の入学を確約できる者が対象の専願型。小論文と書類審査、面接で、明確な目的意識と人物を総合評価する。
- 学校推薦型選抜。指定校(Ⅰ期・Ⅱ期)と公募型があり、高校長の推薦を前提とする。
- 一般選抜。2教科型・3教科型などがあり、英語はリーディング100点を基本に配点される。
- 共通テスト利用入試。共通テストの得点で合否を判定する方式。
合格難易度については率直に書く。育英大学は当サイト判定でA、実質全入だ。専願の総合型・学校推薦型が募集の中心で、偏差値35.0という水準も踏まえると、受験勉強を一定量こなした層にとって難関ではない。加えて、親族が前橋育英高校・育英短期大学・育英大学に在籍または卒業していると入学検定料が免除されるファミリー型出願など、出願のハードルを下げる制度もある。倍率や合格者数の年度別データは、旺文社パスナビや河合塾Kei-Netの入試結果ページで最新値を確認するのが確実だ。難易度が低いことは、裏を返せば、入ってから何を積み上げるかで進路が大きく変わるということでもある。
学費は初年度137万円、4年間約473万円。奨学金は手厚い
学費は大学公式が最も正確だ。育英大学公式によれば、内訳は次のとおり(出典:育英大学公式・学費・奨学金)。
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 250,000円 |
| 授業料(年額) | 750,000円(前期・後期各375,000円) |
| 教育振興費(年額) | 370,000円(前期・後期各185,000円) |
| 初年度納入金合計 | 1,370,000円 |
| 4年間合計(目安) | 約4,730,000円 |
このほかに保護者会費・同窓会費・学生会費など約60,000円を預り金として別途徴収し、実習費や資格取得の経費も別にかかる。なお、進学情報サイトによっては初年度を132万円前後と表記している場合があり、資料や年度で差が出るため、実際の出願前には必ず最新の募集要項で確認してほしい。
奨学金は下位私大の中では手厚い部類だ。給付型の特別奨学金は、全入試の合格者から学業成績または競技成績が優秀な者を対象に、授業料・教育振興費・入学金の全額または一部を募集人員の40%以内に支給する制度で、条件が合えば4年間で数百万円規模の負担軽減になる。入学後の学業成績優秀者には半期授業料の2分の1相当額(175,000円)を支給する制度もある。加えて日本学生支援機構の第一種(無利子)・第二種(有利子)、給付型奨学金にも対応している。学費の額面だけでなく、この給付型の枠をどう取りにいくかまで含めて資金計画を立てるのが現実的だ。
立地とキャンパス。高崎駅からバス、緑の多い環境
キャンパスは群馬県高崎市京目町1656-1。JR高崎駅から上信バスで約20分、新前橋駅や前橋駅からもバス便があり、授業期間中はスクールバスも運行している。関越自動車道の高崎ICからは車で約5分だ。都心の駅前キャンパスのような立地ではないが、群馬県内や北関東から通う学生にとってはアクセスの選択肢が複数ある。
運営は学校法人群馬育英学園で、2018年に開学した比較的新しい大学だ。前身は育英短期大学で、短大時代からの教育・保育の蓄積を4年制に発展させた形になる。大学公式は、緑あふれるキャンパスでアットホームな少人数環境という点を打ち出しており、教員と学生の距離が近いことを特色に挙げている。
課外活動では全国区の実績も出ている。駅伝部は2019年の予選会で全体65位のランナーが関東学生連合チームに選ばれ、箱根駅伝の舞台を経験した。レスリング部は櫻井つぐみ、元木咲良がパリオリンピックで金メダルを獲得している。前橋育英高等学校と高大連携協定を結び、スポーツと教育の両輪で存在感を出そうとしている大学だ。名前の知名度そのものより、こうした具体の活動でどんな学生生活が送れるかを見たほうが、進学判断には役立つと思う。
育英大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを踏まえて、向き不向きを整理する。偏差値やFランという言葉で決めるのではなく、目的との相性で見てほしい。
育英大学が向く人
- 群馬県や北関東で、小学校・幼稚園の教員、保育士、保健体育教員、公務員を目指す人
- 少人数で面倒見のよい環境と、教員・公務員試験対策の手厚いサポートを重視する人
- 大学名のブランドより、資格と実績で就職の武器を作りたい人
- 総合型・学校推薦型で堅く進学先を確保したい人
- 給付型奨学金を狙って学費負担を抑えたい人
育英大学が合わない人
- 大学名の知名度や、学歴フィルターの通過を最優先する人
- 全国区の大企業の総合職や、金融・商社などを本命に据える人
- 研究者志向で、大学院進学を前提にキャリアを設計したい人
- 経済・理工・文学など、教育以外の幅広い学問分野から選びたい人
偏差値35.0という数字は、合わない人には確かに不利に働く。だが向く人にとっては、実質全入で入りやすく、給付型奨学金で費用を抑えられ、教員・公務員という明確な出口が用意されている大学でもある。判断の軸は、あなたが何になりたいかだ。
まとめ。育英大学はFランか
結論を一次データで締めくくる。育英大学は河合塾Kei-Net2027で3専攻とも偏差値35.0、当サイトの中立判定はA、実質全入だ。数字の上ではFラン帯に入るのは事実で、そこは否定しない。だが、それだけで語り終えると見落とすものがある。
収容定員充足率は116.8%(私学版大学ポートレート・2025年)。定員割れが広がる下位私大の中で、育英は定員を超えて学生を集めており、教員養成という地域の需要に支えられて募集が成立している。就職率は97.1%(大学ポートレート・河合塾Kei-Net)で、進路は教員・公務員・地元企業に具体名で並ぶ。学費は初年度137万円・4年間約473万円で、給付型奨学金の枠も用意されている。
だから私の答えはこうだ。育英大学は偏差値上はFランだが、定員割れに沈む大学とは別のグループにいる。Fランかどうかという一つの問いより、あなたが目指す教員・保育者・公務員という出口に、この大学の実績と環境が合うかどうか。そこで判断するのが、いちばん後悔の少ない選び方だと思う。
よくある質問
育英大学(群馬)の偏差値はいくつですか。
河合塾Kei-Netの2027年度入試難易予想では、教育学部の児童教育・スポーツ教育・英語教育の3専攻すべてが偏差値35.0です。私塾系サイトでは37前後と表示される場合もありますが、本記事は最も参照される河合塾基準の35.0を採用しています。
育英大学はFランですか。
当サイトの中立判定はA、実質全入です。偏差値35.0でFラン帯に入るのは事実ですが、河合塾が難易度を算出できない最下層のBF帯とは区別しています。加えて収容定員充足率は116.8%(私学版大学ポートレート2025)で、定員割れしていない点が下位私大の中では特徴です。
育英大学の就職はどうですか。
河合塾Kei-Net掲載の大学ポートレート由来データで、教育学部2024年度の就職率は97.1%です。公式の進路実績では、群馬県ほか各都県での教員採用、群馬県警察や東京消防庁などの公務員、スズキやALSOKなど民間約40社が挙がっています。進路は教員・公務員・地元企業が中心です。
育英大学と育英館大学は同じ大学ですか。
別の大学です。育英大学は群馬県高崎市の教育学部単科大学、育英館大学は北海道稚内市の情報メディア学部の大学(旧稚内北星学園大学)です。仙台育英学園や各地の育英高校とも名前が近く、ネット上の評判では混同が起きやすいので注意してください。
育英大学の学費はいくらですか。
大学公式によると、初年度納入金は1,370,000円(入学金25万円、授業料75万円、教育振興費37万円)で、4年間は約473万円です。別途、諸経費約6万円や実習費がかかります。給付型の特別奨学金や日本学生支援機構の奨学金にも対応しています。金額は年度で変わるため募集要項で確認してください。
育英大学の入試は難しいですか。
難易度は高くありません。総合型選抜と学校推薦型選抜の専願が募集の中心で、当サイト判定はA、実質全入です。一般選抜や共通テスト利用入試もあります。倍率や合格者数の年度別データは、旺文社パスナビや河合塾Kei-Netの入試結果ページで確認できます。