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群馬県立県民健康科学大学は“やばい”のか。Fランと言われる理由をデータで検証

元偏差値40大学卒・受験指導歴8年の森田涼が、河合塾の一次データと定員充足率で「やばい・恥ずかしい」の噂を冷静に検証する

森田 涼森田 涼|2026-07-16公開

群馬県立県民健康科学大学は“やばい”のか。Fランと言われる理由をデータで検証
群馬県立県民健康科学大学がFランかどうか、正確なところを知りたくてここに来たのだと思います。先に結論を言います。ここはFランではありません。河合塾偏差値は看護45.0・診療放射線47.5、そして収容定員充足率は約104%と、定員割れの真逆です。数字で実像を示します。
この記事の目次
  1. 河合塾偏差値は看護45.0・診療放射線47.5。まず一次データを置く
  2. ここが本題。収容定員充足率104%が語る二面性
  3. 「群馬県立県民健康科学大学 やばい・恥ずかしい」の噂を検証する
  4. 就職・進路。国家試験ほぼ全員合格、就職率はほぼ100%
  5. 学べること。看護と診療放射線の2学部、チーム医療を軸にした少人数教育
  6. 入試方式と合格難易度。倍率は2〜3倍、共通テスト勝負
  7. 学費・奨学金。公立ゆえに私立医療系より大幅に安い
  8. 立地・キャンパス。前橋市の郊外、車と路線バスが前提
  9. 向く人・合わない人
  10. まとめ。群馬県立県民健康科学大学はFランか
  11. よくある質問
  12. 参考・出典

河合塾偏差値は看護45.0・診療放射線47.5。まず一次データを置く

私は受験指導を8年やってきて、Fランかどうかの話は決まって「なんとなくの印象」で始まると感じています。だから最初に、感想ではなく数字を置きます。河合塾Kei-Netおよび旺文社パスナビ(いずれも河合塾提供・第1回全統記述模試ベース、2027年度入試向け・更新日2026年7月1日)が示すボーダー偏差値は以下の通りです。

学部・学科河合塾ボーダー偏差値共通テスト得点率(前期)
診療放射線学部 診療放射線学科47.564%
看護学部 看護学科45.057%

当サイトは代表偏差値を47.5(診療放射線)として扱っています。ここで大事なのは判定の物差しです。私は偏差値42.5以上を「明確に非Fラン」、40前後を「境界線上のグレー」、37.5前後を「実質全入寄り」として中立に見ます。この大学は両学部とも45.0以上。物差しに素直に当てれば、Fランではありません。

もう一つ、混乱の元になりやすい点を先に潰しておきます。ベネッセの進研模試を基準にした情報サイトでは、この大学の偏差値が52〜57と表示されます。河合塾の45.0〜47.5とは7ポイントほど差が出ますが、これは大学が変わったのではなく物差しが違うだけです。進研模試は受験母集団が広く、同じ大学でも数値が高めに出ます。当サイトは統一のため河合塾を主軸に置きます。どちらの物差しでも、Fランの水準ではありません。

ここが本題。収容定員充足率104%が語る二面性

偏差値だけ見ても大学の健全さは分かりません。私が毎回この独自軸を持ち出すのは、Fランの本当の症状が偏差値ではなく「定員割れ」に出るからです。学生が集まらず定員を満たせない大学ほど、合格ラインを下げて頭数を確保します。だから収容定員充足率(在籍学生数÷収容定員)が100%を割っているかどうかが、実質的な体温計になります。

大学改革支援・学位授与機構「大学基本情報」(2025年度・河合塾Kei-Net経由で確認)の在籍学生数と、大学公式の収容定員を突き合わせると、次の通りです。

学部在籍学生数収容定員充足率(当サイト算出)
看護学部332名320名約103.8%
診療放射線学部145名140名約103.6%
大学全体477名460名約103.7%

充足率は約104%。定員割れの真逆で、定員を1割弱オーバーして学生を抱えています。Fランの典型症状である「充足率が100%を割る」状態に、この大学はまったく該当しません。ここが判定の背骨です。

ただし、この数字には二面性があります。表の面は明確です。需要が定員を上回るほど人気で、経営も健全。県内の医療職志望者にとって、実際に第一志望群に入る大学だということです。裏の面も正直に書きます。2学部合わせても定員460名の小規模校なので、充足率が高いのは「入りやすいから埋まる」のではなく「席が少ないところに志望者が集中して埋まる」構造です。倍率は2〜3倍の狭き門で、易しく満杯なのではありません。さらに医療単科大学ゆえ、入学がほぼそのまま職業選択になります。途中で進路を大きく変えにくい不可逆性がある。これは弱点ではなく特性ですが、充足率の高さを「安泰」と読み替えるだけでは片手落ちになります。

「群馬県立県民健康科学大学 やばい・恥ずかしい」の噂を検証する

検索窓に「やばい」「恥ずかしい」と打ち込む人がいるのは事実です。ただ、その言葉の中身を分解すると、大学の実力の話ではないものがほとんどでした。私が見た限り、噂は次の類型に整理できます。個別の匿名投稿をそのまま引くことはしません。あくまで型として冷静に扱います。

  • 知名度の類型。校名が長く「県立」「県民」が重なるうえ、県外での露出が少ないため、名前を知らない人が「聞いたことがない=大したことない」と早合点する。これは実力ではなく認知の問題です。充足率104%・国家試験ほぼ全員合格という実像と噛み合いません。
  • 偏差値の読み違いの類型。河合塾45.0〜47.5と進研模試52〜57が同じ画面に混在し、低いほうだけ見て「低い」と判断される。前章で述べた通り物差しの差にすぎません。
  • 華やかさの類型。総合大学のようなサークルやイベントの派手さがなく、医療専門で淡々としているため「地味」と映る。これは大学の質ではなく雰囲気の好みの話です。
  • 見栄の類型。「恥ずかしい」は多くの場合、進学者本人や周囲の見栄に関する感情で、大学名でマウントが取りにくいという話です。医療系公立大の価値はネームバリューではなく資格と出口に出るので、この物差し自体がずれています。

結論として、噂の実体は認知不足・物差しの混同・雰囲気の好みに集約され、教育や進路の中身を否定する根拠は見当たりませんでした。医療・資格系の大学は、偏差値の数字より国家試験の合格率と就職の出口で評価すべきです。次章でその出口を見ます。

就職・進路。国家試験ほぼ全員合格、就職率はほぼ100%

ここは大学公式の一次データを主軸に置きます。上毛新聞および大学公式の発表によれば、保健師・看護師・診療放射線技師のいずれの国家試験でも全国平均を大きく上回る合格率を維持し、令和6年度の国家試験については受験した4年生全員が合格しています。就職率も毎年ほぼ100%を達成し、卒業生は群馬県を中心に全国で働いています。医療系はこの「資格が取れて職に就ける」という一点で価値が決まる世界です。

大学公式が公表する看護学部の令和7年度実績は次の通りです。

  • 看護師 計67名(県内46名/県外21名)。主な県内就職先は群馬県立病院11名、群馬大学医学部附属病院10名、済生会前橋病院4名、前橋赤十字病院3名、桐生厚生総合病院3名など。県外は自治医科大学附属さいたま医療センター3名、上尾中央総合病院2名など埼玉・東京方面。
  • 保健師 計10名(県内5名は伊勢崎市・太田市・藤岡市・富岡市・大泉町、県外5名)。
  • 進学 3名(高崎健康福祉大学大学院2名、富山県立大学1名)。

診療放射線学部については、過年度の公表・集計データ(旺文社パスナビ、日本の学校)で県内は渋川医療センター、群馬県立病院、前橋赤十字病院、真木病院、高崎・地域医療センター、黒沢病院、前橋協立病院、北関東循環器病院など、県外は東京医科歯科大学病院、三重大学医学部附属病院、さいたま赤十字病院、足利赤十字病院、慶應義塾大学病院などが並びます。進学先には桐生大学、高崎健康福祉大学大学院、愛知県立大学大学院が確認できます。

就職先が実在の県立病院・大学病院・赤十字病院で埋まっているという事実が、この大学の位置を何より雄弁に示しています。定員割れ大学の進路欄とは中身が違います。

学べること。看護と診療放射線の2学部、チーム医療を軸にした少人数教育

群馬県立県民健康科学大学は、看護学部看護学科と診療放射線学部診療放射線学科の2学部からなる公立の医療系単科大学です。診療放射線技師を養成する4年制大学は全国でも数が限られ、しかも公立でこの資格を目指せる点は希少です。看護学部では看護師国家試験受験資格に加え、1学年30名を定員とする選択制で保健師国家試験受験資格も取得できます。

特色は3つに整理できます。第一に、臨床経験を持つ教授陣による少人数教育。大学公式は「2学部を合わせても定員460名という小さな大学」と明言しており、学生一人ひとりに目が届く規模です。第二に、看護学部と診療放射線学部の合同授業を通じたチーム医療教育。実際の医療現場は多職種連携で回るため、学生のうちから他職種と学ぶ環境は実務直結です。第三に、学年担任とグループ担任を組み合わせた担任制度で、学生8〜10名ごとに専任教員が付き、進路や健康の相談に応じます。

先輩たちが入学を決めた理由(テレメール全国一斉進学調査)でも、少人数のきめ細かい指導、地域医療を大切にする姿勢、国家試験合格率の高さ、県内医療機関への就職のしやすさが繰り返し挙がっています。派手さで選ぶ大学ではなく、資格と地域医療への就職を最短で狙う人が選ぶ大学だと分かります。

入試方式と合格難易度。倍率は2〜3倍、共通テスト勝負

入試方式は主に一般選抜(前期)と学校推薦型選抜、そして社会人特別選抜です。一般選抜は大学入学共通テスト(国語・数学・理科・地理歴史公民・外国語)と、個別学力検査として小論文(和文)・面接を課します。学校推薦型選抜は小論文(和文・英文)・面接・書類審査です。純粋な学科二次がなく共通テストと小論文・面接で決まるため、共通テストの完成度が合否を大きく左右します。

旺文社パスナビによる2025年度の入試結果(倍率)は次の通りです。

学部(2025年度)募集志願合格倍率
看護学部(全選抜合計)80193842.3倍
診療放射線学部(全選抜合計)3596382.4倍

看護は一般2.3倍・推薦2.2倍、診療放射線は一般2.3倍・推薦2.6倍。診療放射線学部は2024年度に全体3.1倍(一般3.4倍)まで上がった年もあり、年による振れはあるものの、いずれもFランに典型的な「実質全入」ではありません。倍率2〜3倍で確実に不合格者が出る入試です。共通テスト得点率の目安は看護57%前後、診療放射線64%前後(河合塾)。国公立医療系としては標準的ですが、対策なしで受かる水準ではないと考えてください。

学費・奨学金。公立ゆえに私立医療系より大幅に安い

ここは公立の強みが最もはっきり出るところです。大学公式が公表する学費は以下の通りです。

項目群馬県内者群馬県外者
入学料141,000円282,000円
授業料(年額)535,800円535,800円
初年度合計(入学料+授業料)676,800円817,800円

入学料は群馬県内者が半額になる仕組みです。県内者かどうかは、入学手続を行う月の初日時点で本人または配偶者・一親等の親族が引き続き1年以上群馬県内に住所を有するか等で判定されます。授業料のほか、教科書・教材・実習衣などで初年度15万円程度、学生保険5,370円、後援会費・学生自治会費が各20,000円かかります。それでも大学公式が「施設整備費や実習費は徴収していない」と明記している通り、私立の看護・診療放射線系大学(初年度150万円超が珍しくない)と比べれば負担は大幅に軽い部類です。

奨学金は日本学生支援機構(給付型・第一種無利子・第二種有利子)を多くの在学生が利用しています。加えて各病院の奨学金、市町村の奨学金、財団・民間の奨学金も窓口で案内されます。2020年開始の高等教育の修学支援新制度(授業料減免+給付奨学金)の対象校でもあり、天災や世帯収入の急減時には授業料の減免・徴収猶予の相談も可能です。学費を理由に諦める必要が最も少ない類型の大学です。

立地・キャンパス。前橋市の郊外、車と路線バスが前提

キャンパスは群馬県前橋市上沖町323-1、郵便番号371-0052にあります。交通アクセスは大学公式によると、JR前橋駅北口6番乗り場から永井バス(荻窪公園行き・小坂子行き)で「県民健康科学大学前」下車、約15分。上毛電鉄「片貝駅」からは徒歩約15分。車の場合は関越自動車道「前橋IC」から約20分で、来客用・学生用の駐車場が整備されています。

正直に書くと、駅前の繁華街キャンパスではありません。前橋市街から少し離れた落ち着いた立地で、通学は路線バスか自家用車、あるいは近隣での一人暮らしが現実的な選択になります。ここを「不便」と取るか「実習と勉強に集中できる環境」と取るかは、目的次第です。医療職を本気で目指す人にとっては、静かな環境と少人数教育はむしろ噛み合います。逆に、都会的なキャンパスライフやサークルの華やかさを最優先する人には物足りなく感じられるでしょう。この落差が、前述の「地味」という印象の噂を生む一因でもあります。

向く人・合わない人

ここまでの一次データを踏まえて、私の受験指導の目線で整理します。

  • 向く人:看護師・保健師・診療放射線技師という国家資格を明確に目指している人。群馬県内やその周辺で医療職に就きたい人。学費を抑えて医療系に進みたい人。少人数で面倒見のよい環境を望む人。共通テストで6割前後を安定して取れる、または本気で取りにいく人。
  • 合わない人:将来やりたいことがまだ医療に定まっておらず、幅広い進路の可能性を残したい人。総合大学の華やかなキャンパスライフやネームバリューを重視する人。駅近の都市型立地を最優先する人。医療単科ゆえの不可逆性(入学がほぼ職業選択になること)を負担に感じる人。

「Fランかどうか」で迷っている段階の人に一つだけ言えるのは、この大学の評価軸は偏差値の見栄えではなく、資格が取れて職に就けるかという一点だということです。その一点で見れば、実績は明確に平均以上です。

まとめ。群馬県立県民健康科学大学はFランか

結論を繰り返します。群馬県立県民健康科学大学はFランではありません。中堅の公立医療系大学です。根拠を一次データで振り返ります。河合塾偏差値は看護45.0・診療放射線47.5で、当サイトの判定基準(42.5以上は明確に非Fラン)を両学部とも上回ります。収容定員充足率は約104%(在籍477名/収容定員460名)で、Fランの典型症状である定員割れの真逆です。国家試験は令和6年度に受験した4年生全員が合格し、就職率は毎年ほぼ100%。入試倍率も2〜3倍で、実質全入ではありません。

「やばい」「恥ずかしい」という噂の正体は、校名の知名度不足、進研模試と河合塾の物差しの混同、そして医療単科ゆえの地味さという印象論であって、教育や進路の中身を否定する根拠ではありませんでした。医療・資格系は偏差値の数字より出口で評価すべきという原則に立てば、この大学の実像はむしろ堅実な部類です。持ち上げすぎず貶めすぎず、数字のまま受け取ってください。最後は資料で一次情報を確かめ、自分の目的と照らして判断するのが確実です。

よくある質問

群馬県立県民健康科学大学はFランですか?

Fランではありません。河合塾偏差値は看護45.0・診療放射線47.5で、当サイトの基準(42.5以上は明確に非Fラン)を両学部とも上回ります。収容定員充足率も約104%と定員割れの逆で、国家試験は令和6年度に受験生全員が合格、就職率もほぼ100%です。中堅の公立医療系大学と位置づけるのが妥当です。

偏差値はどのくらいですか。看護と診療放射線で違いますか?

河合塾(Kei-Net・パスナビ、2027年度向け)で看護学部45.0、診療放射線学部47.5です。共通テスト得点率は看護57%前後、診療放射線64%前後。ベネッセ進研模試だと52〜57と高めに表示されますが、これは大学が違うのではなく模試の物差しの差です。どちらでもFランの水準ではありません。

「やばい」「恥ずかしい」と検索されるのはなぜですか?

主に、校名の知名度が県外で低いこと、進研模試と河合塾の偏差値が混同されて低いほうだけ見られること、医療単科で総合大学のような華やかさがないことによる印象論です。充足率104%や国家試験ほぼ全員合格という実像とは噛み合っていません。医療系は偏差値より資格と就職の出口で評価すべきです。

就職や国家試験の実績は良いですか?

大学公式・上毛新聞によれば、保健師・看護師・診療放射線技師のいずれも国家試験の合格率が全国平均を大きく上回り、令和6年度は受験した4年生全員が合格。就職率も毎年ほぼ100%です。就職先は群馬県立病院、群馬大学医学部附属病院、前橋赤十字病院など実在の主要病院が中心です。

学費は高いですか?

公立なので私立の医療系大学より大幅に安いです。授業料は年額535,800円、入学料は群馬県内者141,000円・県外者282,000円。施設整備費や実習費は徴収していません。日本学生支援機構の給付・貸与奨学金、高等教育の修学支援新制度、各病院・市町村の奨学金も利用できます。

保健師の資格も取れますか?

取れます。看護学部では看護師国家試験受験資格に加え、1学年30名を定員とする選択制で保健師国家試験受験資格も取得できます。診療放射線学部では診療放射線技師の国家試験受験資格が得られます。いずれも4年制での養成です。

参考・出典

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この記事を書いた人

森田 涼

森田 涼 |元・偏差値40大学の卒業生/受験指導歴8年

第一志望に落ちて偏差値40の大学に進んだ。合格したあと大学名を検索したら「Fラン」「人生終了」と出てきて、その言葉を数年間信じて沈んだ。あるとき、誰も“実際の数字”を見せないまま煽っていただけだと気づいた。その後、受験指導に8年関わる中で、Fランと呼ばれる大学から着実に道を開く子を何人も見てきました。このサイトは、河合塾2027偏差値・私学版大学ポートレートの収容定員充足率・就職の公式データだけを根拠に、煽らず中立に判定します。

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