― 大学別データ判定 ―
群馬医療福祉大学は“やばい”のか。Fランと言われる理由をデータで検証
河合塾Kei-Net2027の学部別偏差値、私学版大学ポートレートの収容定員充足率84.3%、大学ポートレートの就職実績を突き合わせ、「やばい」という噂の正体を数字で解剖します。当サイト独自の中立判定です。

この記事の目次
群馬医療福祉大学の偏差値|河合塾Kei-Net2027で見る学部別の実像
まず数字から入ります。群馬医療福祉大学の代表偏差値は40.0(河合塾Kei-Net2027)。この40.0だけを取り出すと「Fランの境界線」に見えますが、学科ごとに開きがあり、まとめて語ると実像を外します。私が受験指導で毎年見てきた感覚でも、リハビリ系や医療技術系の学科は同じ大学名の中でも数字が跳ね上がるのが普通です。
| 学部 | 学科・専攻 | 偏差値(河合塾Kei-Net2027) |
|---|---|---|
| 社会福祉学部 | 社会福祉 | 37.5 |
| 社会福祉学部 | 子ども | 40.0 |
| リハビリテーション学部 | 理学療法 | 45.0 |
| リハビリテーション学部 | 作業療法 | 42.5 |
| 医療技術学部 | 臨床検査学 | 37.5 |
| 医療技術学部 | 臨床工学 | 37.5 |
注目すべきはリハビリテーション学部です。理学療法学科45.0、作業療法学科42.5は、河合塾の帯で見れば明確に「Fランではない」水準に入ります。一方で社会福祉学科37.5、医療技術学部の臨床検査学・臨床工学の37.5は、実質的に全入に近い境界の下側です。看護学科は各偏差値情報媒体で37.5前後に置かれることが多く、同じ帯に入ります。
つまり「群馬医療福祉大学=Fラン」と一言で片づけるのは正確ではありません。数字の上では、理学療法・作業療法という上位学科と、社会福祉・医療技術・看護という境界帯の学科が、同じ看板の下に同居しているのが実態です。そして医療・看護・リハビリ・福祉のような国家資格系は、偏差値の数字よりも国家試験の合格と就職の出口で評価すべき分野だと私は考えています。この観点は後半の就職データで検証します。
ここが本題|収容定員充足率84.3%が語る二つの顔
偏差値の話は多くのサイトが書いています。私がこの記事で一番見てほしいのは、収容定員充足率という別の一次データです。群馬医療福祉大学の収容定員充足率は84.3%(私学版大学ポートレート/日本私立学校振興・共済事業団2025)。在籍している学生数が、大学が国に届け出た収容定員の84.3%にとどまっている、という意味です。この数字は偏差値ランキングにはほとんど出てきませんが、大学の「入りやすさ」と「経営体力」を同時に映す鏡になります。
この84.3%には二つの顔があります。
| 読み方 | 意味すること |
|---|---|
| 入りやすさの側面(受験生視点) | 定員に届いていない=募集がやや緩い。全入寄りの学科がある偏差値データと整合し、受験生から見れば合格のチャンスは広い。 |
| 経営・ブランドの側面(大学視点) | 定員を安定して満たす人気校ではない。需要が定員を大きく上回る「売り手市場」の大学ではないことを示す。 |
ただし、この数字だけで「危ない大学」と断じるのは早計です。近年は私立大学の定員割れが広く進み、募集停止に追い込まれる大学も出ています。その流れの中で84.3%という水準は、経営が揺らぐほどの空洞化ではないものの、定員を毎年きっちり埋める安定人気校でもない、という中間的な位置を示します。
もう一つ大事なのは、医療・福祉・看護・リハビリの養成課程は、実習を受け入れる病院・施設のキャパシティに合わせて定員が設計される点です。無理に定員を膨らませて教室に詰め込む構造ではなく、少人数の実習指導を回せる規模を保っている、という見方もできます。私の中立判定としては、84.3%は「入りやすさの客観指標であると同時に、致命的な定員割れではない」というグレーな中間値。噂が言う「やばい」を数字に翻訳すると、この充足率の一つ目の顔(入りやすさ)が正体に近い、と整理できます。
「やばい・恥ずかしい・Fラン」と言われる理由を類型で検証
検索で並ぶ「やばい」「恥ずかしい」「Fラン」という言葉は、具体的な一つの事実ではなく、いくつかの噂の類型が混ざったものです。特定の匿名投稿を逐語で持ち出すことはしません。私が検索結果と口コミ全体を見て整理した類型は、次の四つです。
- 類型1:一部学科の偏差値が低い。 社会福祉・医療技術・看護に37.5前後の学科があり、全入に近いと受け取られている。これは前述のとおり事実の一面ですが、理学療法45.0・作業療法42.5という学科もあり、大学全体には広げられません。
- 類型2:県外での知名度が低い。 群馬県内の医療・福祉業界では実績と信頼のある大学ですが、全国区の知名度は高くありません。「聞いたことがない=レベルが低い」という思い込みが「恥ずかしい」という言葉に化けやすい構図です。知名度と教育の質は別物です。
- 類型3:校則やルールが厳しいという口コミ。 制服・上履き・スーツ着用、ボランティア活動が時間割に組まれる、身だしなみの規定がある、といった声が見られます。これは医療・福祉の現場マナーを在学中から徹底する教育方針の反映で、「窮屈だ」という否定と「就職後に役立った」という肯定に評価が二極化しています。合う合わないの問題であって、大学の欠陥ではありません。
- 類型4:掲示板の「Fランでは」という声。 匿名の学歴談義で出やすい言葉ですが、根拠は類型1の偏差値に依存しています。就職・国家資格という出口を見ずに数字だけで貼られるレッテルです。
まとめると、「やばい」の中身は偏差値の一部・知名度・校則という三つに集約され、いずれも大学全体を否定する材料にはなりません。噂を鵜呑みにせず、次章以降の出口データで実像を確かめてください。
就職・進路|全学部100%と主な就職先(大学ポートレート実績)
医療・福祉系の大学は、偏差値より就職の出口で評価すべきです。ここは推測ではなく一次データで確認します。大学ポートレート(私学事業団)および旺文社パスナビが公表する2024年4月〜2025年3月の実績は次のとおりです。
| 学部 | 卒業者 | 就職希望者 | 就職者 | 進学者 | 就職率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 社会福祉学部 | 82 | 77 | 77 | 2 | 100% |
| 医療技術学部 | 38 | 35 | 35 | 0 | 100% |
| 看護学部 | 80 | 78 | 78 | 1 | 100% |
| リハビリテーション学部 | 67 | 67 | 67 | 0 | 100% |
就職希望者に対する就職率は全学部で100%です。ここで注意したいのは、この100%は「就職を希望した人のうち就職できた割合」であり、資格系大学では珍しくない数字だという点です。とはいえ、希望者を取りこぼさず地元の医療・福祉現場に送り込めている事実は、偏差値の低さを補って余りある実力です。
主な就職先も、地元群馬と北関東の中核機関が並びます。看護・リハビリでは前橋赤十字病院、群馬県済生会前橋病院、公立藤岡総合病院、伊勢崎市民病院、群馬中央病院、群馬大学医学部附属病院など。社会福祉では群馬県庁(福祉職)、群馬県警察、群馬県立しろがね学園、社会福祉協議会、病院・老人福祉施設・障がい者支援施設・保育所などです(出典:旺文社パスナビ、大学ポートレート)。「Fランだから就職が弱い」という思い込みは、少なくともこの大学の出口には当てはまりません。地元で医療・福祉の専門職として働くという目的に対しては、むしろ再現性の高いルートを持っています。
学べること|4学部と取得できる国家資格
群馬医療福祉大学は、医療・福祉・教育の総合大学を掲げる私立大学です(運営:昌賢学園)。学べる中身は資格に直結しており、どの学部も「卒業=受験資格・免許」という設計になっています。
- 社会福祉学部(社会福祉学科): 社会福祉士・精神保健福祉士の国家試験受験資格に加え、保育士、小学校・幼稚園・特別支援学校の教諭一種免許、社会福祉主事など。福祉・心理・学校教育を横断して学べるのが特徴です。
- 看護学部(看護学科): 看護師の国家試験受験資格を軸に、保健師、養護教諭一種などを目指せます。福祉の視点を持った看護職の養成を掲げています。
- リハビリテーション学部(理学療法学科・作業療法学科): 理学療法士・作業療法士の国家試験受験資格。学生の理解度に合わせた少人数の指導が売りで、偏差値も学内で最も高い帯です。
- 医療技術学部(臨床検査学専攻・臨床工学専攻): 臨床検査技師・臨床工学技士の国家試験受験資格。専攻によってはダブルライセンスを狙える設計もあります。
共通する強みは、少人数制・クラス担任制、ボランティアや実習を通じた現場経験、そして「チームケア・チーム医療」を学部横断で学べる環境です。学問的な研究より、資格を取って現場で働く力を鍛える方向に振り切った大学だと理解しておくと、進学後のギャップが少なくて済みます。
入試方式と合格難易度|総合型・推薦・一般・共通テスト利用
入試の間口は広く、方式は大きく次の四系統です(出典:旺文社パスナビ、ベネッセマナビジョン)。
- 総合型選抜: 「授業体験型」(高大連携校対象・書類、基礎学力試験、集団討論、個人面接など)や「自己探究型」(活動報告プレゼン、個人面接)。
- 学校推薦型選抜: 指定校推薦のほか、群馬県内高校在籍者・県在住者を対象にした地元枠があり、小論文と個人面接を課す方式があります。
- 一般選抜(前期・中期・後期): 書類審査と学科試験。国語を必須に、英語・数学などから科目を選ぶ2科目型が中心で、後期は総合問題です。
- 大学入学共通テスト利用型選抜(前期・中期・後期): 本学独自試験を課さず、共通テストの結果で判定します。
- スカラシップ(特待生)選抜: 成績上位者に授業料減免が付く枠で、一般選抜前期と同様の内容です。
合格難易度は、偏差値40.0前後という数字どおり、標準的な私大医療系の中では入りやすい部類です。ただし人気の理学療法・作業療法や共通テスト利用では、37.5帯の学科より競争が上がります。私の指導経験から言えば、この大学は「学力で押し切る」より「志望動機と面接・小論文で自分の適性を示す」総合型・推薦型が主戦場になりやすい大学です。国語を軸にした基礎学力を固めつつ、医療・福祉を志す理由を言語化できるかが合否を分けます。
学費・奨学金|学部別の初年度納入金と特待制度
学費は学部によって差があります。2026年度の初年度納入金(参考)は次のとおりです(出典:JS日本の学校、スタディサプリ進路、河合塾Kei-Net)。いずれも入学金30万円を含み、別途で教材費・制服代・実習費がかかります。
| 学部 | 初年度納入金(目安) | 内訳の目安 |
|---|---|---|
| 社会福祉学部 | 約155万円 | 入学金30万+授業料等125万 |
| 看護学部 | 約176万円 | 入学金30万+授業料等146万 |
| リハビリテーション学部 | 約188万円 | 入学金30万+授業料等ほか |
| 医療技術学部 | 約190万円 | 入学金30万+授業料等160万 |
これに加えて、大学ポートレートによればテキスト代・制服代・外部実習費などが、社会福祉学部で1年次におおよそ20万円前後、看護学部で1年次に30万円前後かかります。看護・リハビリ・医療技術は実習と教材の負担が重く、社会福祉より総額が上がる構造です。
負担を下げる仕組みも用意されています。スカラシップ(特待生)入試では、成績に応じて初年度授業料が全額・半額・4分の1まで免除されます。加えて入学金免除制度、1年ごとに授業料を免除する特待制度、群馬銀行やしののめ信用金庫などの教育ローン、日本学生支援機構の奨学金があり、国の「高等教育の修学支援新制度(無償化)」の対象機関にも認定されています。学費だけを理由に「やばい」と敬遠する前に、特待と支援制度を組み合わせた実質負担で比較することを勧めます。
立地・キャンパス|前橋・藤岡・本町の3拠点とアクセス
キャンパスは学部ごとに分かれた3拠点構成です(出典:大学公式サイト、Wikipedia)。志望学部によって通学環境が変わるため、事前の確認が欠かせません。
| キャンパス | 設置学部 | 所在地・アクセス |
|---|---|---|
| 前橋キャンパス | 社会福祉学部/医療技術学部/短期大学部 | 前橋市川曲町191-1。JR上越線・井野駅から徒歩約25分、新前橋駅や高崎駅からバス便あり。 |
| 藤岡キャンパス | 看護学部 | JR八高線・群馬藤岡駅から徒歩約5分。駅近で通いやすい立地。 |
| 本町キャンパス | リハビリテーション学部 | 前橋市本町2-12-1・前橋プラザ元気21内(6・7F)。JR両毛線・前橋駅、上毛電鉄・中央前橋駅が最寄り。 |
特徴を挙げると、看護学部の藤岡キャンパスは駅から徒歩5分で通学しやすい一方、社会福祉・医療技術の前橋キャンパスは最寄り駅から距離があり、バスや自転車の利用が現実的です。リハビリの本町キャンパスは前橋の市街地にあり、駅アクセスは良好です。地元群馬・埼玉北部・栃木南部からの通学圏が中心で、実習先も同じ地域に集中しているため、「地元で学び、地元で働く」動線がはっきりしています。県外から下宿してまで通うタイプの大学ではなく、通学圏の受験生にとって選択肢になる大学だと理解しておくと判断しやすいはずです。
群馬医療福祉大学が向く人・合わない人
ここまでの一次データを、進学判断に落とし込みます。偏差値や噂ではなく、目的との相性で見るのが正解です。
- 向く人: 群馬・北関東で看護師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師・臨床工学技士・社会福祉士などの国家資格を取り、地元の医療・福祉現場で働きたい人。少人数で手厚く指導されたい人。学力より志望動機で勝負したい総合型・推薦型志望者。特待や修学支援で学費を抑えたい人。
- 合わない人: 全国区の大学名や偏差値そのものを重視する人。研究職や大企業総合職など、資格に依らないキャリアを主目的にする人。校則・制服・ボランティア必修といった規律ある環境を窮屈に感じる人。県外で一人暮らしを前提に大学名で選びたい人。
要は、この大学の価値は「学歴の看板」ではなく「地元で通用する国家資格と就職」にあります。そこが自分の目的と一致するなら、偏差値40.0という数字はほとんど障害になりません。逆に看板や数字を求めるなら、噂どおり物足りなく感じるでしょう。
まとめ|群馬医療福祉大学はFランか
最後に中立の判定をまとめます。群馬医療福祉大学は、代表偏差値40.0という点ではFランの境界線上にあり、社会福祉・医療技術・看護の一部学科は37.5前後で実質全入寄りの下側です。ここは噂どおりの一面があります。しかし理学療法45.0・作業療法42.5は明確に非Fラン帯で、大学全体を「Fラン」と一括りにするのは正確ではありません。医療・福祉・看護・リハビリという国家資格系は、偏差値の数字より国家試験と就職の出口で評価すべき分野です。その出口を見れば、就職希望者に対する就職率は全学部100%(大学ポートレート実績)で、地元群馬・北関東の中核病院や自治体の福祉職に送り込めています。
私の結論は、「数字だけを見ればグレー、目的で見れば十分に機能する専門職養成校」です。収容定員充足率84.3%は入りやすさの客観指標であり、噂の「やばい」の正体はほぼこの入りやすさに集約されます。一方で、致命的な定員割れでも、就職に困る大学でもありません。地元で資格を取って働きたい人にとっては、偏差値のレッテルより出口の実績で選ぶ価値のある大学です。噂ではなく、この記事のデータと最新の大学資料で判断してください。
よくある質問
群馬医療福祉大学はFランですか?
一律にFランと断じるのは不正確です。代表偏差値は40.0(河合塾Kei-Net2027)で境界線上ですが、リハビリテーション学部の理学療法45.0・作業療法42.5は明確に非Fラン帯、社会福祉・医療技術・看護の一部は37.5前後で全入寄りの下側です。医療・福祉系は偏差値より国家試験と就職の出口で評価すべきで、就職率は全学部100%です。当サイトの中立判定は「数字はグレー、目的次第で十分機能する専門職養成校」です。
収容定員充足率84.3%とはどういう意味ですか?
大学が国に届け出た収容定員に対し、実際の在籍者が84.3%にとどまることを示します(私学版大学ポートレート/私学事業団2025)。受験生から見れば募集がやや緩く入りやすい一方、定員を毎年埋める安定人気校ではないという二面性があります。近年は私大の定員割れが広く進んでおり、84.3%は経営が揺らぐほどの空洞化ではない中間的な水準です。
就職率や主な就職先はどうなっていますか?
2024年4月〜2025年3月の実績で、就職希望者に対する就職率は全学部100%です(大学ポートレート、旺文社パスナビ)。主な就職先は前橋赤十字病院、群馬県済生会前橋病院、公立藤岡総合病院、群馬大学医学部附属病院、群馬県庁(福祉職)、群馬県警察など、地元群馬・北関東の医療・福祉機関が中心です。
学費はいくらですか。学費が高いという噂は本当ですか?
2026年度の初年度納入金は目安で社会福祉学部約155万円、看護学部約176万円、リハビリテーション学部約188万円、医療技術学部約190万円で、いずれも入学金30万円を含み別途に教材費・実習費がかかります。医療・看護・リハビリ系としては標準的な水準です。スカラシップ(特待生)入試で授業料が全額〜4分の1免除、国の高等教育修学支援新制度の対象でもあり、実質負担で比較するのが妥当です。
「校則が厳しい」という口コミは本当ですか?
制服・上履き・スーツ着用、身だしなみ規定、ボランティア活動の必修化などの声があります。これは医療・福祉の現場マナーを在学中から徹底する教育方針の反映で、就職後に役立ったという肯定と、窮屈だという否定に評価が分かれています。大学の欠陥ではなく、規律ある環境が合うかどうかの相性の問題です。
入試は難しいですか。どの方式で受けるのがよいですか?
間口は広く、総合型選抜、学校推薦型(指定校・県内枠)、一般選抜(前期・中期・後期)、共通テスト利用、スカラシップ選抜があります。難易度は標準的な私大医療系の中では入りやすい部類ですが、人気の理学療法・作業療法や共通テスト利用は競争が上がります。学力で押し切るより、志望動機を示せる総合型・推薦型が主戦場になりやすい大学です。